2016/9/24
「タピオカ理論(1)」の続き。
このサイトで目指している「究極のタイムトラベル」とは、映画バック・トゥ・ザ・フューチャーのように「過去へ生身の身体ごと戻り、過去の世界を自分がのぞむように改変して、もといた未来の時代に戻ってくる」という理論だ。
SF映画でよくあるパターンだが「核戦争で人類の大半が死滅した未来から、過去に戻って核戦争の原因を取り除き、再び自分のいた未来の世界に戻り、核戦争のない平和な世界でハッピーエンドを迎える」というタイムトラベル。
これを、物理学でパラドックスなく説明する理論は、実はほとんどない。
なぜなら過去へのタイムトラベル自体がさまざまなパラドックスを引き起こすからだ。
このサイトの「時間旅行入門」で紹介している「親殺しのパラドックス」をはじめ、原因と結果が逆になって因果律の崩壊をまねく。
例え過去の世界で過去の改変に成功しても、変更した時点で新たな世界に分岐してしまい、そこから未来に戻ってもそれは改変後の未来であって、もとの未来には戻れない。
でも「レオさんのタイムトラベル理論」のすごいところは、これをクリアしている点だ。
前回ではレオさんのタピオカ理論の概要を説明するのに忙しくてタイムトラベルの詳細を詳しく説明できなかったので、もう一度紹介しよう。下記の図を見ていただきたい。
タピオカの表面上に「今」1996年、2016年、2066年の3つの動的宇宙がある。さてこの時代から「10年後」の各動的宇宙はどうなっているか?
それぞれの動的宇宙が2006年、2026年、2076年と、プラス10年の時が経過している。
それぞれの動的宇宙はビッグスペース(われわれの世界で言うビッグバン)によって誕生したが、誕生した時期の違いによりそれぞれに独自の時間を刻んでいる。
レオさんによれば、同じタピオカ上の動的宇宙ならば、それぞれが同じ間隔で時を経ていくそうだ。
動的宇宙同士は一種のパラレルワールドで、それぞれが独立した歴史をもつ宇宙ともいえる。
そして、「今」いるのが2016年10月1日の宇宙だとして、20年前の過去に戻りたければ、1996年の動的宇宙群を探し、さらにその中から1996年10月1日の動的宇宙を見つけ出す。
レオさんによれば、そこからタイムマシン施設(金属製のベッドらしい)で眠ると、静止宇宙を通って(あらかじめルートが決められており、トンネルをくぐるようなものらしい)1996年10月1日の施設で目覚める。
私が検証したいのはあくまでタイムトラベル理論なので、このタイムマシンのディテールがどうとか、服を着たままでよいのかなど細かい検証は置いておく。
さて1996年10月1日で1週間過ごして、もといた2016年の未来に戻るには、どうすればよいか?
帰り方は来たときと同じだ。1996年10月7日にタイムマシン施設の金属製のベッドで眠り、静止宇宙を通ってもといた2016年10月7日の動的宇宙で目覚める。
もとの世界ではあなたの存在は10月1日以降消えているので、出発したときのあなたが7日後にもとの世界に戻ってもパラドックスは起こらない。
ところで「1週間も留守にしたら家族が心配するよ」という人は、出発した日の2016年10月1日に戻ることもできる。
この場合は、7日前の1996年9月25日の動的宇宙に戻ればよい。そこで1週間(7日間)過ごし、1996年10月1日になってから2016年10月1日の動的宇宙へ移動する。
このパターンは本人不在の時間がなくなるのがメリットだが、欠点として寿命が短くなる。なぜならタイムトラベル期間中でも身体年齢の時間は普段どおりに経過してしまう。
例えば過去の世界で1年間過ごして、出発したた日と同じ日に元の世界に帰ってくると、本人の寿命は1年間縮んでいる。
他にも注意点がある。
実は1996年10月1日の動的宇宙にはもう一人のあなたが存在する。
2016年のあなたが1996年の宇宙に移動してしまうと、同じ世界に2人の人間が存在することになる。これは非常にまずくないか?
もし1996年の動的宇宙で2016年の未来から来たあなたと1996年のあなたが出会って握手してしまったら・・・?
実は何も起こらない。同じ人間同士が接触したら大爆発を起こすというSF映画もあるが、レオさんの理論に従えば、お互いに微笑んで終わりだ。
なぜなら2016年のあなたと1996年のあなたは頭のてっぺんからつま先までDNAもいっしょだが、しょせん別々の個体だからだ。
一卵性双生児が手をつないでも爆発しないのと同じことで、2016年のあなたと1996年のあなたはまったくの別人なのである。
レオさんによればタピオカ上には動的宇宙が80億から100億もあり、その宇宙に1人ずつ同じあなた(DNAが同じ人間という意味で)がいる。
しかしそれぞれのあなたはそれぞれの魂をもち、別々の個体なのだ。
だから親殺しのパラドックスで、2066年のあなたが2016年の動的宇宙に移動し、まだ結婚していないあなたの両親を殺しても、2066年のあなたの存在は消えない。(もちろん2016年の動的宇宙のあなたは生まれてこないが・・・)。
なぜなら2066年の動的宇宙にはあなたの両親がちゃんと元気で存在しているからだ。
さて今まで「例え」に使っていた1996年、2016年、2066年という「年」にも実は意味がある。
2016年は今年だからという理由で「現在」として使っているが、レオさんは2062年から来た未来人の仲間なので(元のスレッドでは2060年を使っていたが)ちょうど今年から50年後の2066年を「未来」として使っている。
1996年はもっと重要で、レオさんによると「基準点がはじめて地球に設置された年」だという。
「基準点」とは海を航海するときに目印となる灯台のようなもので、タイムトラベルの際に基準点からの距離で目的となる動的宇宙と静止宇宙のルートを決める。基準点はGPSにおける人工衛星のようなものらしい。
元のスレッドでは基準点がどこにあるのかは秘密だがヒントとして、大きさは「建物一つ程度」の装置で地球上(地上)にはないそうだ。
スレッドに参加していた人たちの考察では「月」や「海底」、13000年前から大気圏上に存在すると言われている「ブラックナイト衛星」がそれだと言う意見もあった。
火山の近くでUFOがよく出現するので、火山の中かもしれない。
それはさておき、この宇宙のタピオカ上では1996年に上位の存在によって基準点が設置されたので、過去に戻ろうとしても1996年より前の時代に戻ることは難しいそうだ(技術的には可能だが遭難してしまう)。
それではレオさんのタイムトラベルの核心、動的宇宙から静止宇宙を通り、別の動的宇宙へ移動する方法を説明しよう。
どうやって静止宇宙に入るのか?
まず前提として現在われわれの住む動的宇宙は、
(1)ヒッグス粒子が一部しか姿を現していない(どこかに漏れ出している)。
(2)光はまったく姿を現していない。
これだけでは何だかさっぱりだが、レオさん的には「姿を現す=質量をもつ」ことのようで、つまり、
(1)動的宇宙で観測されるヒッグス粒子による質量は一部であり、その大部分が静止宇宙に存在している。
(2)動的宇宙では光は質量をもっていないが、光の本体は静止宇宙にあり、そこで光は質量をもつ。
だから「光に質量を与えることによって静止宇宙と同じような空間を動的宇宙に作り出し、質量を得た光を身体にまとえば静止宇宙に入ることができる」そうだ。ちなみに静止宇宙では光は波ではなく停止した粒になっているという。
まだまだこれだけだと意味がわからないが、次回はいよいよ現代の物理学でタピオカ理論を読み解いてみようと思う。
後半だいぶオカルト気味になったが大丈夫だろうか?