2016/12/19
2016年もあと2週間足らずとなったが、2chのオカルト板で今年話題になったスレを振り返って「町田の件」というキーワードを何人かがつぶやいていた。
気になって検索しみたところ「なんか今すごい体験したから聞いてくれ」というのが出てきた。
2chにスレが立ったのは2016年5月13日。読みはじめるととてもおもしろく、引き込まれてしまった。
一言で言うと「東京都の町田市で、自分のドッペルゲンガーを追いかけて異世界に行った話」だ。
「自分とそっくりな人間に出会った」というオカルト板ではありふれたドッペルゲンガーものだが、スレ主のポジティブな対応とリアルな語りのおかげで臨場感があり、話の裏に隠されたテーマも予想外にスケールが大きい。
他のまとめが見つからなかったので、以下にまとめてみた。
スレ主が予備校を休んで東京の町田を歩いていると、自分によく似たスタイルの女性が前を歩いているのを見かけた。
気になって追い抜いて顔を見たところ自分と瓜二つ。
相手も「あっ!」と驚いたが、その声も自分そっくり。
スレ主は思わず彼女の腕をつかんだが、振りほどかれて逃げられてしまう。あわてて逃げる女性を追うスレ主(なんてポジティブ!)。
いったん追いつくが、女性は薄暗く細い路地を曲がり、その先の壁の中へ、ハリーポッターに出てくる「9と3/4番線」みたいに吸い込まれて消えてしまった。
「嘘だろ」と思いながらスレ主も壁に向かって突っ込むと、するりと通り抜けて壁から外へ飛び出した。
壁から出た先の世界は、昼間だったのに薄暗く、5月半ばなのに妙に肌寒い。
とたんに怖くなって再び壁を通り抜けると元の世界に戻ることができた。
翌日、昨日の出来事がどうしても気になり、再び例の壁に向かうスレ主(以降A子とする)。怖かったので、今度は友達もいっしょについてきてもらった。
片方の手を友達とつないだまま、A子がもう一方の手を壁に近づけると、昨日と同様すり抜けてしまった。
すり抜けた向こうにはサングラスをかけたもう一人の自分(以降さんB子)が待っていた。
驚くA子に向かって「昨日逃げてごめんなー」とあやまるB子。
B子の説明によると、よく似てはいるがここはA子の住む世界ではなく、時間的にいえば1年半後の未来。B子は今大学生とのこと。
B子は数日前からA子の住む世界と行き来していて、偶然に予備校帰りのA子を見かけたらしい。
B子は今まで何度も違う世界に行っているが、これだけ年齢が近くてよく似た世界の自分を見かけたのは初めてだという。ちなみにB子も同じ予備校で浪人していたそう。
あと2日ぐらいは向こうとこちらの世界を行き来できるはずだから、せっかくなのでこの世界のカラオケにでも行かないかと誘われる。
B子に言われるまま連れて行かれたカラオケ店で、A子はいきなり衝撃的な事実を告げられる。
我々はいわゆるプログラミングされた意思の無い生き物で、ある上位の存在がつくった話の中で暮らしている。
B子はその上位の存在で特別。だからB子はいいけど、A子を含めた普通の人間が下手に首を突込んで話の内容を邪魔すると、修正される。ひどいときには存在がなかったことにされる。
昨日の出会いはB子の油断から生まれたそう。
B子はあのとき、A子が予備校にいる時間だと思い込んでいた。出会うリスクはないだろうと町をうろうろしていたら、いきなりA子さんに腕をつかまれ、驚いて逃げてしまった。
B子によると「この世界はドラマの撮影に使われるようなセットで、それにゲームのプログラムを融合させたようなもの」らしい。
我々がドラマを見るみたいに我々の世界を見る人がいて、我々の遊ぶゲームがプログラミングからできているように、この世界ははじめから、我々の上位の存在が作ったもの。彼らのための娯楽の世界だという。
例えば医療ドラマを作るなら病院のセット、学園ものを作るなら学校のセットを作るように、上位の世界でも、話の内容によって使うセット(世界)を変えたり、同じセット(世界)でも同時進行で違う話の撮影をするらしい。
人間は意思があると思い込んでいるが、実際にそんなものはなく、一番初めに世界の元となるプログラムを起動すれば、あとはどんな世界になるか、どんな生物が生まれてくるか、すべて決まっている。
人が行動したり考えたりすることは、「偶然」はなくすべてが「必然」。いわゆる「運命」として全部最初から決まっている。
例えば、劣悪な環境で育ち、犯罪を犯してしまった男がいたとする。
周りの人は「本人のしっかりした意思さえあれば犯罪を止めれたはず」だと思うかもしれないが、犯罪を止めることは不可能だという。
育った環境や親が悪いのでもなく、彼は元々そういう人間になるようにプログラムされていただけのこと。
ちなみに上位の人間は我々より非常に数が少なく、上位の人が我々を一人ずつプレイ(体験)しているわけではない。
我々のほとんどは、ゲームでいえばNPC(自動で動きまわるプログラム)、アニメでいえば名前も声優も当てられていない存在だという。
B子の世界もA子の住むこの世界と同じようにプログラムされた世界だが、B子はその世界のいわゆる主演女優みたいなものらしい。
ゲームやアニメと違うのは、主人公とか重要人物は上の世界の人間がやるという点。
ただし、この世界の立場の偉い人(例えば政治家)を上位の人間が操っているというわけではなく、政治家のドラマが撮りたいなら政治家がプレイヤーになるが、サザエさん的なドラマならば、政治家や首相でさえNPCだそうだ。
そして、この世界でバグが見つかった場合は、上の人がこの世界に直接入って直す。
もともとバグは最初から最後までしっかりプログラムされたストーリーに上位の人間が介入することで発生する。バグは比較的たくさん起きており、そのための修正屋がいる。
「時空のおっさんに会ったことあるか?」とA子がB子に尋ねると、B子はおっさん自体は知らなかったが、その話が真実なら「下手くそなバグ修正屋だ」とのこと。上手な修正屋ならそんな人の記憶に残るようなことしないそう。
B子の世界が他の世界と比べて特別ということはなく、B子は彼女の世界に、B子が主人公の映画を撮影するために来ている。
同じく我々の世界にも、撮影のためだとか、バグを修正するためだとか、ゲーム感覚で遊ぶために上から来てるやつがいる。
B子にそのことを生まれたときから知っていたのかと尋ねると、この世界の人の一生は、B子にすればドラマを1時間みるくらいの感覚。もちろん生まれる前から知っていて、生まれるときは「よーし、新しい映画を撮りに現場へいくぞ!」的なノリらしい。
また原則として、この世界は上位の人間にとって都合のいいようにできている。
・上の人間が修正を受けることは絶対に無い。
・上の人間に都合がいいように修正される。
・(めったにないことだが)公衆の面前で同じ顔をしたA子とB子が出会うなどの異常事態が発生した場合、A子の存在が消される。
B子の今世のテーマは、他の世界の自分に会ってさまざまな出来事が起こり、それをきっかけとしてB子が成長するという、バグの修正とのせめぎあいの内容らしく、そのギリギリ感をB子は楽しんでいるそう。
このようなテーマは上位の存在間で、今めちゃくちゃ流行しているらしい。
そんなB子に対するスレ主A子のイメージは「上から目線のうざいヤツ」。でもどこか愛着も感じる(見下し感がすごい・・・)。
「魂」とか「心」とかという概念は、形として存在しているが、プログラムだからやはり根本的にはない。
この世界でいう「心」とか「自由意思」って概念は、B子たち上位の存在は持ってるが、私達は実際には持っていない。
B子は自分の意思で好き勝手に動けて、このような秘密の話を明かすこともできるが、我々にはできない。
「B子の上にさらに上位の存在がいるのか?」という問いに対して、「A子には上位の世界のすべてを知ることは決してできないから、その概念を理解することはできない」。
B子が色々教えてくれた理由は「先日幼馴染みが死んでショックを受けており、ヤケクソになっていたから」。その感覚は好きなアニメキャラが死んで悲しいぐらいの感覚だそう。
壁の往来が後2日くらいは可能という根拠は、今までの経験で4~5日ぐらいもつから。
B子にだけ他の世界へつながる空間が黒いモヤみたいに見える。
そのモヤは壁や床や何もない空中だったりする。4~5日ぐらいで消えてしまう。
それぞれの世界のゲートが同じということは初めてで(今回でいえば「A子の世界の壁」と「B子の世界の壁」)、普通は全然違う場所につながる。
そういう意味では今回の出会いは特別で、B子の物語のキーとなる回かもしれないという。
B子の世界のカラオケ店に14:30頃に入って、出たのは夜中の1時ごろ。それから元来た壁に向かった。
壁についたとき、B子から「私ももう行かないから、A子からは絶対来ない方がいい。これ以上深入りすると修正される」との忠告を受ける。
A子が壁に触れると深夜だったのにとても明るく、目の前に友達がいた。
友達に「消えるとこ見てた?」と尋ねたが、「ただ壁触って振り向いただけじゃね?」との返事。
つまり、友達に手をつながれながら壁に触れたときから時間が経っていなかった。
A子「これが修正が入るってことか・・・」。
以上で、「町田の壁抜け少女」の話は終わりだ。みなさんの感想はどうだろう?
「1年半後の自分に出会う」とか「壁の向こうの世界で半日過ごしたのに、こちらの世界では時間が経過していない」などタイムトラベル要素も興味深いが、その内容自体がとてもおもしろいい。
次回はこの話を考察していく。
ドッペルゲンガー、いやもしかしたら世界の真実が見えてくるかも・・・。