●「アメリカ軍中佐の体外離脱研究リポート(3)」(ホログラフィックな宇宙)

2018/2/2

 

ホログラムイメージ

 

前回の続き。

 

CIAが機密解除した文書の中から発見されたマクドネル米陸軍中佐によるアストラル・プロジェクション(体外離脱体験)リポートを考察する3回目。

 

今回は「マクドネル・リポート」の12章以下のホログラフィー技術について考察していく。

※「マクドネル・リポート」がCIAのファイルサーバーの問題で見られない場合は、下記からダウンロード。

ダウンロード
マクドネル・リポート
CIA-McDonnell-report.pdf
PDFファイル 2.3 MB

前回も紹介したとおり、

ホログラフィー(wiki)はレーザーが発明された1960年代から、マクドネル・リポートが書かれた1980年代にかけて発展した技術だ。

 

まずホログラフィー技術について簡単に説明しよう。

 

ホログラフィーは、レーザー光のように干渉性の高い光を使う。

レーザー光を2つに分け、一方を対象となる物体に照射して反射させ、もう一方を記録媒体に照射すると、2つの光が干渉して記録媒体に記録される。この記録された媒体をホログラムという。

 

ホログラムに自然光などの干渉性の低い光を照射しても何も見えないが、記録したのと同じレーザー光を再び照射すると、元の物体の像が立体的に浮かびあがる。

 

ホログラムの大きな特徴として、

 

1.ホログラムでは見る角度を変えても(その角度から見た反射光が記録されているので)角度を変えた物体の映像を見ることができる。つまり3次元的に映像を記録・再生できる。

 

2.ホログラフィー技術で記録された情報は、ホログラムの全面に分散して記録される。

ホログラムの一部にも物体上の各点からの光が多重記録されているので、一部からでも物体全体の情報を再生することができる。

ただし一部から再生された像はホログラム全体から再生された像に比べると、解像度は低くくなる。

 

 

マクドネル・リポートの12章から18章で紹介されている2人の博士、スタンフォード大学の神経科学者カール・プリブラムとロンドン大学の理論物理学者デイビッド・ボームによれば、人間の意識や宇宙もホログラムに似たものかもしれないという。

※の部分はマクドネル・リポートの内容だけではわかりにくいので、私(BTTP)が調べた情報も加えている。

 

 

※プリブラムが脳の記憶に関する研究をはじめた1940年代には、記憶は脳の特定の領域に局在して記録されると考えられていた。

 

だが記憶が蓄積されると考えられていた脳の領域を手術や事故で切除した患者でも、特定の記憶を失うことなく思い出すことができたり、迷路を走る訓練をしたマウスから記憶の箇所を切除しても、あいかわらず迷路を走行できるという実験を調べるうち、プリブラムは、記憶は脳の特定の場所に記録されるのではなく、脳全体に分散して記録されると考えた。

 

プリブラムは、当時注目されていたホログラフィー技術にヒントを得て、ホログラムのように「記憶は脳全体に分散して記録され、一部を切除しても失うことなく全体を再生することができる」という「脳のホログラフィー理論」を提唱した。

 

プリブラムによれば、脳の神経細胞によってわれわれの意識が生み出されるのではなく、時間や空間を超越した別の次元から投影された情報を脳が受け取り、ホログラフィーのように意識として解釈しているという。

 

ボームはさらにこの考え方を発展させた。

 

宇宙にはさまざな光や電波が飛び交っている。波が交差して干渉すればホログラムが生まれる。つまり宇宙全体もホログラムと考えられるのではないか。

宇宙をホログラムと考えるのならば、どの部分にもそのすべての情報が内在しているはずで、われわれもホログラムの一部だというのである。

 

マクドネル・リポートはプリブラムとボームの理論から、われわれの意識や宇宙は別の次元から投影されたホログラムで、意識を身体と切り離すことによって、ホログラムの一部から元の映像が再現できるように、隠れている次元へと旅をすることができるという。

 

 

マクドネル・リポートの18章以降を見ていこう。

※は私(BTTP)独自の見解。

 

 

物理学者は「時間」を運動するエネルギー、または変化の量として定義する。

しかし運動エネルギーとして存在するためには空間のような何らかの次元に振動パターンとして閉じ込められていなければならない。

閉じ込められていないエネルギーにはパターンの限界がなく、無限だ。無限は「時間」という次元の外にある。

 

エネルギーが無限の状態では境界はなく、「ここ」から「あそこ」までという始まりも終わりもない。

無限状態のエネルギーは完全に静止しており、不活性のままではホログラムを生成することはできない。

 

意識は運動するエネルギーによって生成されたホログラムを受信して知覚することができるが、運動していない無限状態のエネルギーを知覚することはできない。

無限状態のエネルギーは「アブソリュート(絶対)」と呼ばれる。

「アブソリュート」領域とわれわれの「物質的な宇宙」との間にはさまざまに折り重なった次元がある。

理論的には、人間の意識は、知覚が停止するポイントである「絶対」の領域まで意識を広げることができる。

 

「アブソリュート」は境界のない無限のエネルギーで、われわれの4次元時空を含めたすべての次元を支配しているが、認識することはできない。

アブソリュート領域と4次元時空との間にある折り重なった次元はプランク長以下のミクロの領域にあり、その領域に入るためには、必要な振動数まで脳波を高めて意識を集中させなければならない。

ゲートウェイ・プロセスは、ヘミシンク技術によって、人間の意識を変性し、別の次元に入るために必要な干渉パターンをつくることだ。

 

アブソリュートとわれわれの住む次元の間にある中間次元では、時間と空間の因果関係が崩れ、時間と空間は同期せず、われわれの意識はあらゆる方向に移動することができる。つまり中間次元では意識が過去や未来へアクセスできる。

 

人間の意識が中間次元にアクセスするためには、身体から意識を切り離し「体外離脱」することが必要である。

※意識を時空間を越えてホログラムのように投影するので「アストラル・プロジェクション」と呼ぶようだ。

 

この宇宙はわれわれの認識する4次元時空や隠れた次元も含めて、信じられないほどの複雑なエネルギー波の交差によって生成されるホログラムだ。

アメリカ人科学者のベントフ博士(wiki)はわれわれの4次元宇宙からアブソリュート領域までを次のように例えている。

 

われわれの知る物理的な宇宙は嵐の中で荒れ狂う波であり、そのはるか深く海の底にもぐっていくと静かな無限の絶対領域がある。アブソリュートへもぐっていくプロセスがゲートウェイである。

 

ベントフ博士によれば、われわれの宇宙に広がった物質は流れに乗って旅をし、やがてそれ自身に戻り、最終的に卵形を形成するという。

圧縮されたエネルギー核からホワイトホールを通って放出された物質は、卵形の流れに乗って旅をし、旅の終わりにブラックホールへ吸い込まれていく。

「時間」とは、アブソリュートの無限から追い出されて卵形パターンの領域に閉じ込められたエネルギーが、卵の頂上のホワイトホールから放出された後、旅をしてブラックホールに吸い込まれていくという「現実」の尺度であるという。

宇宙卵(マクドネル・リポートより)
宇宙卵(マクドネル・リポートより)

 

観測された銀河の分布によると、なぜ私たちの銀河が、物質がそれ自身に落ち込んではじまる卵の頂に近い場所に位置し、北側の銀河がなぜ、宇宙卵の遠い端に向かって物質の流れが急速に離れていくのかを説明する。

宇宙卵のトーラス(マクドネル・リポートより)
宇宙卵のトーラス(マクドネル・リポートより)

この宇宙卵の旅をめぐる一連の流れは、トーラスを構成する卵内に干渉パターンを生成する。トーラスは時間のあらゆる段階で物質によって同時に生成されるので、過去・現在・未来のあらゆる時間を同時に特定の視点から見ることができる。

変性した意識は、過去・現在・未来を同時に知ることができる。

 

われわれの意識はアブソリュートの中にある普遍的意識の一部だ。

現実の旅が終わると、意識はアブソリュートの無限に戻る。

 

意識がアブソリュートに戻ると、現実の経験を通して蓄積されたすべての記憶はアブソリュートに取り込まれる。

意識のアブソリュートへの帰還は、個々の意識の消滅を意味しない。むしろ個々のアイデンティティは失われず、アブソリュートの意識と無限に合流する。

 

失われるのは独立した意識のホログラムを生成する能力である。なぜならホログラムは運動するエネルギーによって生成される。アブソリュートの静止の中では生み出すことができない。

アブソリュートの中では「知覚する力」をもつことはできるが、意志をもって「選択する力」は失われる。 

※神は「見る」ことだけしかできないのか? 手をさしのべることはできないのか?

 

体外離脱した意識も、観察し学ぶことはできるが、作用することはできない。

 

 

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ここまでがマクドネル・リポートの18章から27章までの内容だ。

28章以降はヘミシンク技術を使った具体的なゲートウェイ・プロセスの方法が書かれている。

ヘミシンクやその方法についてはモンロー研究所のホームページや、「ヘミシンク完全ガイドブック全6冊合本版」などの書籍を参考にして欲しい。

 

 

【マクドネル・リポートの総括】

マクドネル・リポートには、1980年代に米陸軍がゲートウェイ・プロセスによって、アストラル・プロジェクション(体外離脱)し、別の次元や過去・未来の別の時間を体験したという驚くべき内容が記されていた。

 

突拍子もないリポートだが、このサイトで考察している「ホログラフィー原理」「シミュレーション仮説」に通じるところもある。

 

ホログラフィー原理とは、超弦理論では量子重力のすべての現象は空間の果てにあるスクリーン(事象の地平面)に投影され、重力を含まない量子力学理論によって記述できると考えられている。

われわれはこの3次元の空間を実在のものだと感じているが、宇宙の果てのスクリーン上では空間も重力も投影された幻になる。

 

これはまさしくマクドネル・リポートに書かれているホログラフィックな宇宙だろう。

 

35年以上前に書かれたリポートなので、科学というよりはオカルトに近い表現も使われているが、全体としては陸軍書式に従った緻密に書かれたまじめな報告書である。

 

このリポートのもう1つの価値は、アメリカの陸軍中佐が軍の命に従い真剣に書いた、体外離脱体験に関する報告書ということだ。

 

CIAの機密解除された大量の文書が2017年1月、ネット上に公開された。

 

 

今後、もっと驚くべきリポートが発見されるかもしれない。期待しよう。