●「梯子の物語①」(岡田真澄似の紳士)

2021/5/15

 

梯子の物語-岡田真澄似の紳士-トップイメージ

 

最近、「きさらぎ駅」

 

「犬鳴村」など、

2000年代に登場した2ちゃんねる発の都市伝説が話題になっているが、どうしても紹介したい、知る人ぞ知る話がある。

 

それが「梯子の物語」だ。

 

13年前(2008年)に2ちゃんねるの「不可解な体験、謎な話~enigma~」に投稿された話で、「梯子」とはスレッド呼ばれていた投稿者の愛称

 

ある雨降りの夜、投稿者の青年がコンビニで岡田真澄似の紳士に出会い、不思議なメモとピアスを渡されたことからはじまる不思議な話だ。

 

私(BTTP)がこの話をはじめて読んだのは、2013年か2014年ごろだったが、読みはじめて夢中になり、長編小説並みの長い話を、一晩かけていっきに読んだことを覚えている。

 

「この話が本当だったら、どんな仕組みで起こったのか?」を知りたくて、相対性理論や量子力学の勉強をはじめたり、タイムリープや不思議な現象を考察するこのサイト「Back to the past」を立ち上げるきっかけになった物語、ぜひご覧ください。

 

 

●動画(YouTube)はこちらから↓

 

 

 

岡田真澄似の紳士との出会い

この話が2ちゃんねるに投稿されたのは2008年9月22日

投稿したのは東京都のS区に住む26歳の青年、スレッドの愛称で「梯子」と呼ばれていた。

 

ある雨の夜、居酒屋で友人たちと飲んだ梯子は、自宅に帰る途中、コンビニに寄った。

タバコとスポーツドリンクを買って外に出ると、雨が強くなっていたので、しばらくタバコを吸いながら、雨が小降りになるのを待っていた。

 

気がつくと、となりに俳優の岡田真澄に似た、初老のスーツの男性が立っていて、こちらを見つめている。

 

「雨が強いですね」、「台風が近づいているせいでしょうか」と世間話をはじめた梯子は、スーツの男性が警戒心を解くような、とてもやわらかい雰囲気だったこともあり、ついつい話し込み、身の上話をしてしまう。

 

梯子の両親は中学生のときに亡くなった。

 

それから叔父の家に住むことになり、大学を卒業した後、就職のために上京した。

 

でも就職先のトラブルで会社を辞め、いまはフリーターをしながら大学院を目指している。

 

・・・そんなプライベートな話を、梯子は男性に、胸をつまらせながら夢中で1時間も話していたが、さっきいっしょに飲んでいた友人から電話がかかってきて中断した。

 

友人はかなり酔っぱらっていて、タクシーで迎えに行くことになった。

 

スーツの男性が親切にも、コンビニの店員に頼んでタクシーを呼んでくれ、それからタクシーを待つ間、男性が奇妙な話をはじめた。

 

男性いわく、

 

君はどんなに勉強して試験に通っても、大学院には戻らないだろう。

今アルバイトしている会社は、2年後に無くなる。

2009年1月2日の13時43分、S区の神社で、ある女性と必ず会いなさい。

 

と告げられた。

 

そのとき、ちょうどタクシーがきて、話は途中になったが、タクシーのドアが閉まる瞬間、男性は梯子に、メモ用紙小さなケースを握らせ、早口で何かをつげた。

 

ケースの中にはピアスが入っていて、「Her diva」書かれた付箋がついた。

 

メモ用紙には、2009年1月2日に神社で女性に会う件と、英語や暗号のような日本語が書かれていた。

 

彼女に会ったらピアスを自然な形で渡す。

そのとき彼女に、自分のことを不審に思われてはいけない。難しいだろうががんばる必要がある。

Qualeは物質に干渉する。

1月2日にその神社で、誰よりも早く彼女に会わなければいけない。

彼女がその日話す初めての人物が、君でなくてはいけない。そのために13時43分に遅れてはいけない・・・。

 

そして、次の内容が梯子を一番驚かせた。

 

妹さんはおじさんとおばさんとうまくやっているが、おばさんは一年後に精密な検査をうけなければいけない。

そのときには妹さんといっしょに、必ずおじさんの家にいるように。

翌年2009年のお盆に、帰省してはいけない。

ただし神社の彼女と、きちんと縁を触れ合わせることに成功した場合のみ。

万が一失敗したら、君の好きにしてよい。

君のほかに二人いるが、補欠である。

 

 

梯子はスーツの男性に、おじさんやおばさんのこと、特に妹がいることは、話していなかった。

 

でもなぜそれが、メモに書かれていたのか?

 

梯子は友人を自分の家に連れて帰り、友人が眠ったあと、メモとピアスを見つめながら考え込んだ。

 

でも、どうにも納得いく答えがだせず、誰に相談してよいかもわからず、なんとなくネット掲示板の2ちゃんねるに、今夜起こった出来事を書き込んだ。

 

いろいろレスがついたが、その中にこんな投稿があった。

 

これ以上はやめていただけないでしょうか。

あなたが体験した話は、あなた自身で結果を確かめてください。

ここでそのほか一般の方々に話をしても、なんの解決にもなりませんよ。

また、ネメアは少しでもズレると修正が効きません。

今はまだ特に影響が出ることはないでしょうから、この段階でおさめてください。

人にはそれぞれ役割というものがあります。

あなたは、あなたの役割を果たすことだけを考えてください。

 

「ネメア」など、何のことかと質問すると、

 

お気持ちはお察しします。

混乱されて当然だとは思いますが、今は従って下さい。

必ず、必ず全てを理解できるときが来ますから。

そんなに遠い話ではありません。彼女と出会ってさえくれれば。

私もあくまで役割を果たしているに過ぎず、全体の一部でしかない。

しかし、一部が不良を起こしてしまえば、全体がダメになる。

あなたが彼と出会ったのは偶然です。

が、役割を与えられたのは必然なのです。

とにかく、今は「その時」を待ってください。

 

何か知ってそうな謎めいたレスに、ヒントをもらおうと、梯子は思い切ってメモとピアスの写真を掲示板にアップした。

梯子がアップしたメモとピアスの写真(新・時空のおっさんまとめ@ウィキより)
梯子がアップしたメモとピアスの写真(新・時空のおっさんまとめ@ウィキより)

謎のメモ

メモを元に作った画像(表)
メモを元に作った画像(表)

Qualeは物質へ干渉し因果律を支える

ネメアのlion

 

西暦2009年1月2日13時43分(S区Aの某神社。

ショート、茶ぱつ、ファーロングコート、茶色ブーツ。

ピアスを渡すこと。怪しまれないよう。困難である。

が、君自身を不審に思われてはいけない。努力が大いに必要である。

誰よりも早く彼女に会い、彼女が、その日話す初めての人物でなければならない。

13時43分にほかの者にこれを取られてはいけない。遅刻してはならない。

(小さな字で)

彼女との周りのそれらに…出会いを?求めてはいけない。

 

Jacob's Ladder was developed by Causal closure of physics.

 

The noise of "Good-bye"

 主観より始まりしものは ついには客観に全て終わる

 MaryはPaper Moonを歌わないし

 月を踏む者は己を信じない

 

Ψ(×1,x2)=Φ(x1)φ(x2)-Φ(x2)φ(x1)=0

 

 

メモを元に作った画像(裏)
メモを元に作った画像(裏)

君のほかの二人は、補欠でしかない。

 

2009年1月2日の13時43分(S区Aの某神社)境内で彼女と接触すること。

服装は、彼女はファーのついたベージュのロングコート、カシミアに、茶色がかった赤のヒールが高いロングブーツを履いている。

ピアスを渡し、縁をからませなければならない。

確立した場合には2009年、日本人のお盆に君は帰省してはいけない。

失敗したならば好きにしてよい。妹さんはうまくやっているだろうが、1年後の今日までにおばさんを精密検査へ連れていく必要がある。

そのときに、妹さんと君は必ず帰省していなければならない。

 

Certa amittim dum incerta pctimus.

Veriamici rari.

 

信じなさい。君の友と君自身を。未来も過去も現在も、すべて同じ板の上にある。

彼女のために君が存在しているのであって、本来ならば彼女にとっては誰でもいいのだから。

しかし、君と出会うことがよりよい方向への第一歩だろう。

 

 

掲示板に参加していた人たちは、協力してこのメモを解読した。

 

最初の「Qualeは物質へ干渉し因果律を支える」「Quale」は、「クオリア」のことではないかと言われている。

※クオリアとは、主観的な感じや経験・質感のことで、晴れた空を見たとき「青く感じる」その「感じ」のこと。

 

クオリアが物質に干渉して因果律を支えるから「思考が現実に影響を与える」的な意味か。

 

「ネメアのlion」は、ギリシア神話のヘラクレスに退治されたネメアの獅子のことで、「第1の試練」の意味。

 

「Jacob's Ladder was developed by Causal closure of physics.」「Jacob's Ladder」は、旧約聖書に出てくる「ヤコブの梯子」ではないかと言われている。

 

ヤコブは、相続権争いで兄に追われて逃げているとき、天に続く梯子を、天使が昇ったり下りたりしている夢を見て、「おまえが横になっているこの土地をお前に与え、おまえを守ろう」という神の声が聞こえたそう。

 

ルター聖書(1534年と1545年)のヤコブの梯子/Wikimedia Commonsより
ルター聖書(1534年と1545年)のヤコブの梯子/Wikimedia Commonsより

「梯子」という愛称もこの「ヤコブの梯子」からきている。

そのヤコブの梯子は、「物理的領域の因果的閉包性」によって開発された。

 

「物理的領域の因果的閉包性」とは、どんな物理現象も、物理現象以外には原因を持たないということ。

つまり物理現象には、神の力や奇跡など、入る余地がないということ。

 

ヤコブの梯子は、奇跡とかじゃなくて、人間の物理的な技術だけで作られたという意味か。

 

「The noise of "Good-bye"」の意味は不明だが、その次の「MaryはPaper Moonを歌わない」というのは、「It's Only a Paper Moon」という、ジャズのスタンダードナンバーに出てくる歌詞で、「Mary」聖母マリアのことではないかと言われていた。

 

「It's Only a Paper Moon」には「あなたの愛さえあれば、紙で作った月も本物になる」という歌詞があるが、「聖母マリアは紙の月を本物だなんて信じない」、つまり「この世界には愛の力や奇跡なんて、入る余地はない」という意味かもしれない。

 

次の物理の数式の意味は、当時はよくわからなかった。

 

Ψ(×1,x2)=Φ(x1)φ(x2)-Φ(x2)φ(x1)=0

 

これは、量子力学に出てくる「パウリの排他原理」を表す式で、2つ以上の電子のようなフェルミ粒子は、同一の量子状態を占めることができないというもの。

 

つまりこのメモの主が言いたかったのは、量子力学のようにわれわれはいろいろな可能性をもつが、われわれの「世界」(もしくは「私」)はこの世界1つ(「私」)しかないという意味かもしれない。

 

「Certa amittim dum incerta pctimus.Veriamici rari.」はラテン語で、「われわれが不確実なものを求めるとき、確実なものを失う。真実の友人はまれである」という意味。

 

「未来も過去も現在も、すべて同じ板の上にある」というのは、最新の物理学の「時間」に対する考え方。

 

 

アクシデント

約束の2009年1月2日までは、まだ3ヶ月以上もあったので、梯子は岡田真澄似の紳士や、ピアスについて調べた。

 

あの夜のコンビニの店員に聞いたところ、スーツの男性のことを覚えていて、少なくとも2回、来店していることがわかった。2回目は、孫らしい子供を連れていた。

 

ピアスは友人の知り合いのアクセサリー屋で調べてもらった。ピアスに特に変わったところはなかったけど、「Her diva」と書かれた便箋の裏に、「11月1日」という日付と「飛行機のような絵」が書かれているのがわかった。

 

 

その後、梯子に不幸な出来事が起きる。

 

10月11日の投稿で梯子は、妹さんが、事故にあったと告白した。

 

掲示板に詳細は書き込まれていないが、相当深刻のようで、梯子はアルバイトを休んで帰省し、妹さんが入院している病院と叔父の家を往復していた。

 

梯子は、唯一の肉親である妹さんをとても大切に思っていて、掲示板の参加者の誰もが、それを感じていた。

 

11月には妹を東京に呼び、2人で新しいアパートで暮らしはじめた。

 

 

ありえない写真

ある日、ひさしぶりにアルバイトに行って帰りが遅くなった夜、家につくまであと数百メートルという道路で、小学校低学年ぐらいの男の子に出会った

 

もう夜10時をすぎていて、きっと迷子になったのだと思った梯子は、男の子に声をかけた。

 

「お父さんやお母さんは?」とたずねたが「わからない」というので、近くの交番に連れていった。

 

警察官に事情を説明し、その子は交番であずかることになり、梯子は帰宅した。

 

翌日、昼過ぎに警察から電話がかかってきた。

「男の子の保護者が無事見つかった」という報告と、「その子が梯子に借りていたものがあるらしく、返却したいので、取りに来てほしい」とのことだった。

 

子供にマフラーを貸していたことを思い出した梯子は、交番に行くと、マフラーだけでなく、首から下げるタイプのネームホルダーを渡された。

 

ネームホルダーには覚えがなく、自分のものではないと断ったが、警察官に「そこに写ってるのあなたですよね?」と言われた。

 

しかたなくホルダーを受け取った梯子は、その中の写真を見て驚いた

 

写真には、成人した梯子と妹、そして、梯子が中学生のときに亡くなった父と母の4人が写っていた

 

写真の裏側には「諏訪で」と書いてあったが、梯子は諏訪に行ったことがなく、写真の背景の場所も、着ている服も見覚えがなかった

 

梯子はも最初は最初、合成写真の可能性を疑ったが、両親は亡くなったときより歳をとっていて、写真に不自然なところはなかった

 

それから数日後、いよいよ不可思議な出来事が、梯子の身に起こった

 

この続きは次回に。

 

 

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