2017/4/28初稿
2017/5/18追記(※一番下に追加情報を記載しました)
さて前回でお知らせしたとおり、今回はいよいよ、最新の科学ニュースでその正しさが確かめられていく「次元位論」を考察していく。
ちなみにスレ主は「おれちが」というトリップ名をつけていたので、今後はスレ主を「おれちが氏」と呼ぶことにする。
「次元位論」とは、知らないうちにおれちが氏の頭の中に入っていた宇宙論や量子論などの未知の科学知識をまとめたものだ。
おれちが氏は30代のただのサラリーマン(若くて管理職らしい)だが、4年前(2013年)にヒッグス粒子が発見されたというニュースの頃は科学知識に違和感がなかったそうなので、未知の知識を得たのはここ4年間のようだ。
現在のおれちが氏の職業は物理学とはまったく関係のないものだが、彼の発言内容を考えると、宇宙や量子力学に関して一定のレベルの知識をもっていることがうかがえる。
それではおれちが氏の発言に従って「次元位論」を考察していこう。
●この宇宙は4次元時空ではなく、6次元
超弦理論やM理論で予想されている10次元や11次元ではないそうだ。
次元位論の大きな特徴として、その名のとおり、それぞれの次元が階層化されている。
彼の書き込みをそのまま書くと、
第1次元位:情報次元(0次元)
第2次元位:確率次元(4次元)
第3次元位:座標次元(1~3次元空間)
第4次元位:時間次元(時間)
これだけだと本当によくわからないので「次元位論」を図式化したものが下記の図だ。
それぞれの次元位を説明していくと、
●第1次元位は「情報次元」と呼び、次元の階層は最上位の0次元(次元位は数の少ないものが上位になる)で、次元数は1つ。
具体的には現在の宇宙論でもわかっていないビッグバン前のゆらぎ(もしくはその前)の状態で、情報のみが存在していたという次元である。
超弦理論の次元数よろしく「そういう次元が在ると都合がいいね」という仮説の次元。
おれちが氏によれば、魂やクオリアも第1次元位由来のもので、特にクオリアに関しては、赤ん坊は産まれてからしばらくの間、外部からの刺激だけでは足りない情報をクオリアで補っているという。
●第2次元位は「確率次元」と呼び、次元の階層は4次元空間(時間を含めた4次元時空ではない)。次元数は1つ。
すべての物質が波の状態で存在し、重力を含むすべての力や物質は第2次元位の波が第3次元位に投影されたもの。
われわれが住む第3次元位よりもはるかにたくさんの情報を含んでおり、第3次元位の住民であるわれわれ(の魂)ではその情報を直接処理することができない。
(おれちが氏によれば、地球上では一部の虫だけが第2次元位の情報を処理してる可能性があるとのこと)。
第1次元位とは異なり、第2次元位は計算上ほぼあるのが確定的な次元。
角砂糖を第3次元位とすると、第2次元位はそれが水に溶けた状態に例えられる。
重力波の発見、つまり空間(の歪み)を波として捉えることは、第2次元位の発見につながるそう。
●第3次元位は「座標次元」と呼び、次元の階層は1~3の空間次元(タテ・ヨコ・奥行き)。次元数は3つ。
すべての物質が粒子の状態で存在し、3つの座標で位置を特定することができる。
われわれが一般的に認識できる次元はこの第3次元位のみ。
おれちが氏によると、第3次元位から第2次元位に作用(影響を与えること)はできず、観測によって猫が死んでいるのか生きているのかわからないというシュレーディンガーの猫のような「観測問題」は実際には起きないという。
●第4次元位は「時間次元」と呼び、次元は最下層で次元数は1つ。
次元位論では「時間」はあくまで物質や空間の変化を示すパラメーターに過ぎない。
次元異論でも相対性理論と同様に「時間」は相対的なもので、絶対的な時間などは存在しない。
次元位論では第1次元位→第4次元に向かって一方的に影響するもので相互作用という概念はなく、第4次元位である時間は重要な要素ではない。
おれちが氏によれば「次元位」というキーワードがwikiになかった時点でおかしいと気づいたそう。
なお本スレでは、このサイトでも紹介しているタピオカ理論との類似性が指摘されているが、私(BTTP)的にはまったくことなるという意見だ。
ただし並行記憶(3)で紹介した「四次元を見つけてしまった」とは共通点があるように思う。
次元位論は最初のとっかかりが難しく、私も初見は???だったが、スレでも指摘されているとおりホログラフィー原理との共通点が多く、おれちが氏も「ホログラフィー原理の考え方は間違っていない。次元位論の元みたいな感じ」と発言している。
おれちが氏によれば「情報から優先順位を定めて次元化し、物質を情報の投影とするのが次元異論」だという。
そこで、前回登場したホログラフィー原理を缶詰に見立てた「ホログラフィー宇宙缶」を使うと、次元位論の理解が進むだろう。
(この例えは私が考たものではなく、難関なホログラフィー原理を一般の人にわかりやすく説明するためにニューヨーク・タイムズの記者が考案したものである)。
2015/12/9 GIZMODOより
おれちが氏はパラレルワールドの説明で次のように言っている。
>スレNo.126 おれちが氏の書き込み(2017/2/8)
目の前にジュースの缶(円筒)がある。
それを横方向から観測する平面(2次元)世界の住人と、縦方向から観測する平面世界の住人がいたとしよう。
彼らにとって前者は「缶が四角い世界」、後者は「缶が丸い世界」だ。
でもより高次元の観測をすれば世界はひとつしかないと解る。
これをパラレルワールドがあると言うかどうか。
パラレルワールドではないが、ホログラフィー原理でも宇宙缶を次のように例えることができる。
客席Aの人から見れば□(四角)に見えた宇宙(缶)は、客席Bの人から見れば○(丸)に見える。
でも宇宙缶は実際は1つしかない。
おれちが氏は並行世界の説明としてさらに詳しく下記のように述べている。
>スレNO.237 おれちが氏の書き込み(2017/3/6)
前提として宇宙(下記の例えで云うステージ)は一つであり、可能性が分岐することによって、宇宙が増えたり消えたりすることはない。
では、並行世界とはどういうものか。
宇宙そのものは第1次位の情報の投影、あるいはその器であり、第2次元位にカラビ-ヤウ多様体的なエネルギーの波動構造として存在している。
その側面を主に粒子(物質)として観測される世界が第3次元位で、人間は魂(情報次元におけるBIOSのようなもの)の性能により、この次元でしか宇宙を観測できない。
その観測地点が並行世界である、といえる。
例えるなら第1次元位を投影元のデータ、第2次元位を宇宙が投影されるステージ、第3次元位をステージを囲む観客席としよう。人間はそこに座る観客だ。
<データ投影>
↓
客席A→ 宇宙(ステージ) ←客席C
↑
客席B
皆同じステージを観ているが、それぞれの客席からでは宇宙は全く異なって観える。
そして決められた客席からでは、その全容を観ることはできない。
並行世界とはこの客席のことで、いわゆる別次元転移というのは客席を移動しているに過ぎない
この説明はしかも、「並行記憶(3)」で紹介した「四次元を見つけてしまった」のファンキーなスレ主の書き込んだ図、
>次元を1次元、2次元、3次元、4次元として、それぞれを次元=[1][2][3][4]とすると、今わかってる4次元の表現は
次元 = [1]
[3] [2]
という感じ。
時計回りに次元があるとして、1の次ぎが2、次が3で、4は1と重なっている感じです。
1と4が重なっているため、1しか認識出来ないが、4もあると言うことをなんとか伝えたい。
この考え方とよく似ている。
2人が使った図を宇宙缶で表現すると下記のようなイメージだ。
つまり、
並行世界の移動は、視点Aから視点Bの移動となる。
これらを考察していくうちに、私は、次元位論が正しいのではないかと思うようになっていった。
その後、さらに次元位論の正しさを補完する書き込みがスレに綴られていく。
おれちが氏がスレで予測した内容と、最新の科学ニュースで報じられた内容が一致していたのだ。
スレ民たちがそれを次々に紹介していった。
●絶対零度よりも低い温度がある?
>スレNo.55 スレ民の書き込み(2017/1/20)
絶対零度の物質は、理論上は有り得ないんじゃなかったかな
虚数振動があるから絶対零度がマイナスになると言う人もいれば理論上(数式上)振動がゼロになるといきなり温度が無限大になると言う人もいるし
という意見に対して
>スレNo.58 おれちが氏の書き込み(2017/1/20)
これおかしいと思ったんだけど、超絶対零度とか極相温度とかって無いの?
>スレNo.170 おれちが氏の書き込み(2017/2/21)
ググったけど見つからなかったわ。多分まだ無いんだね。
極相温度は、超絶対零度から更に負温にしていったときに、
それ以上冷やしても以降物理的な変化がなくなる温度。だったかな。
(ちなみに冷やすという表現は適切じゃないと思う)
で、極相温度では基本の力の内2つが同質になるとかって説があったと思うんだけど、どれとどれなのか覚えてない。
多分電磁力と弱い力だと思うけど。(根拠無し)
これに対してスレ民が発見した記事、
●絶対零度よりも低い温度に到達したという驚愕の報告、いったいそこでは何が起こるのか?
2013/1/8 BUZZAP!より
ドイツの物理学者シュナイダー博士のチームは、超低温の気体状のカリウムで、レーザーと磁場を使って通常は互いに反発する原子を引き寄せあうよう状態にし、内部崩壊を起こさないように安定させ、気体カリウムを絶対零度ギリギリから極わずかだが絶対零度を下まわらせることに成功したという。
●情報の次元はある?
おれちが氏が主張する第1次元位は情報だけが存在する次元で、魂もこの次元にあり、それが第3次元位に投影されることでわれわれの意識や自我になっているとする。
スレ民が書き込んだ下記の記事では、
●「意識は高次元空間と繋がっている」ロンドン大教授が主張! 幽霊やテレパシーなど“非物質的な次元”の実在を語る
2017/2/22 トカナより
イギリスの名門ロンドン大学クイーン・メアリー校の天文学者バーナード・カー教授は、「意識とつながった非物質的な次元」も存在すると主張し、それぞれの次元は階層構造をしており、われわれが認識できる次元は最下層に過ぎず、物理学が提唱してきた11次元なども、精神とかかわるより高い次元から見れば下層次元に過ぎないという。
意識を情報とみなすと、まさしく情報を頂点とする次元の階層構造という「次元位論」と一致する。
この記事に対し、おれちが氏は、
>スレNo.191 おれちが氏の書き込み(2017/2/24)
この人の名前は知らない(俺が人の顔や名前をすぐ忘れるせいかも)けど情報次元を想定してるみたいね。
まあ物理に興味なければ、超弦理論とかもオカルト扱いされるのは仕方ない。
感覚的な世界の認識とはかなりズレてるからね。
と感想を述べている。
バーナード・カー教授の記事が掲載されたのは今年の2月22日で、おれちが氏が2chにスレを立てたのは1ヶ月以上前の1月18日なので、カー教授の記事を参考におれちが氏が「次元位論」をつくったとは考えられない。
●光(量子)を利用して物質を加工する技術の発展
>スレNo.230 おれちが氏の書き込み(2017/3/3)
俺の知識を基にした簡単な予測をひとつ。
座標次元は確率次元(エネルギーの波動)の一側面でしかないことからこの世界で科学を突き詰めていくと、確率次元の性質を利用する必要が出てくる。
座標次元において最もシンプルにそれを表しているのが光だから、ありとあらゆる技術(加工・製造・生成等)は全て光を用いたものになるだろうね。
なので今中高生以下の子達には、現在の製造技術職や工作機械メーカーに関わる仕事はおススメしない。
ものづくりに携わりたいなら、レーザーとかの研究してるところに入るといいと思う。
>スレNo.241 おれちが氏の書き込み(2017/3/6)
エネルギー自体への干渉によって物質を加工することを目指すとしたら、まずその(第2次元位の)波動としての性質をある程度把握する必要があるけど最もそれを解析・調整し易いのが光子なんじゃないかと考えた。
現状主としてうちらに操作可能な力(切断、接着など)の媒体でもあるしね。
これを受けてスレ民が見つけた記事がこれだ。
2017/3/14 東北大学のプレスリリースより
中性子などの量子ビームを利用して、水素と反応しにくいとされていた金属原子に9つもの水素を結合させることに成功した。この成果により、ほとんどの金属元素と水素を結合させる技術が確立されたことになるという。
この記事を受けてのおれちが氏の感想は、
>スレNo.278 おれちが氏の書き込み(2017/3/16)
量子ビームってのが既にあるんだね。なんとなくイメージしてたものに近いかな。
今は研究用だけど、こういうのが製作機械として主流になってくると思うよ。
だが、注目したいのは、おれちが氏が予測したNo.230の書き込みは今年の3月3日。
これに対して東北大学のプレスリリースは3月14日であること。
予測というか予言が当たったといっても過言ではないだろう。
そして前回もご紹介したとおり
●事象の地平面の観測成功
>No.201 おれちが氏の書き込み(2017/2/27)
最近ニュースみて気付いたこと。
近いうちに事象の地平面を観測した画像が出てくるらしい。
学者の予想では赤い靄のように見えるだろうということだけど、花弁というか波紋のような画だったと思う。
●ブラックホール、史上初めて撮影に成功か 電波望遠鏡で一斉観測
2017/4/13 AFP通信より
おれちが氏の予言する画像までは公開されていないが、記事からするとその発表も近いのではないか?
これらの中には「完全一致」とか「予言が的中」とまでは言い切れないという意見もあるだろうが、おれちが氏の「次元位論」が現時点で、修正すべき点を見つけることができないのも事実だ。
※間違いの指摘やご意見がある方はぜひこちら(BTTP)までご連絡ください。
しかし、彼の理論には、私にとって一つだけ受け入れがたいところがある。
おれちが氏は(特に過去への)タイムトラベルはできないと明言している。
その理由として、「時間」は次元位論ではただのパラメーターであり、過去へのタイムトラベルはパラメーターを巻き戻すしかないという。巻き戻すということは過去の宇宙を再び創造するのと同意であり、ビッグバンを発生させるような10の70乗ジュールという途方もないエネルギーが必要だと説明している。
そのため、「『未来から来ました』って人には、まずエネルギー源を訊こうw」という発言もしている。
このサイトはタイムトラベルがテーマなので、おれちが氏のこの意見だけは受け入れがたい。
確かにこのサイトで1年かけて考察してきた結果、「過去へのタイムトラベル」が理論的に非常に難しいことはわかっている。
ただし、こじつけのようだが、こんな風にも考えられるのではないか?
時間を巻き戻して「過去へのタイムトラベル」を行うのではなく、(時間軸の異なる)パラレルワールドへの移動として「過去へのタイムトラベル」を行うのだ。
おれちが氏が説明した下記の図は、
<データ投影>
↓
客席A→ 宇宙(ステージ) ←客席C
↑
客席B
客席A、客席B、客席Cを、それぞれ時間軸のずれた世界と設定することで
<データ投影>
↓
客席A(2017)→ 宇宙(ステージ) ←客席C(1997)
↑
客席B(2007)
と表現でき、客席A(2017)から客席B(2007)、客席B(2007)から客席C(1997)の移動はパラレルワールドへの移動と同時に、時間軸の異なる過去へのタイムトラベルとみなすこともできる。
※この考え方はタピオカ理論を参考にしている。
「次元位論」に関して、タイムトラベルというこのサイトの目的としては受け入れがたい側面もあるが、「情報を頂点に階層化された次元」というコンセプトは注目すべきものであり、今後もニュースなどで検証していきたい。
ただし残念なのは、2chの本スレにおれちが氏が1ヶ月以上も登場しておらず(3月20日の書き込みが最後)、スレ自体がほぼ停止していること。
この記事を読んでいる皆さん、どうか保守していただき、おれちが氏の再登場を願いたい。
<5/18追記>
うれしいことに5月上旬、おれちが氏が再びスレに登場してくれた。新情報があったので追加する。
なんと現在K大の物理系の先生に相談して、「次元位論」の考察を進めてもらっているという。大学名や詳しい情報は先生に迷惑がかかるので明かせないとのことだったが、物理の教授も関心を示したという点で「次元位論」が単なる空想の産物ではない1つの根拠といえるだろう。
ただ同時にいろいろ課題も見つかっているそうだ。
その1つが、「情報」のみが存在するという第1次元位を記述するには、現在の最小単位である素粒子よりもさらに小さな単位を必要とするらしい。
(おれちが氏はそれを、質量やエネルギーではなく「情報」そのものを表わすものとして「情報子」と呼んでいる)
いずれにせよまだまだ時間はかかりそうだが、大学教授の目を通して「次元位論」が少しでも物理的・論理的に進展することを期待する。
だって次元位論は「魂」や「クオリア」が実際に存在し、数学的に記述できる可能性を持っているのだから・・・。