精神だけが身体を離れて時間移動する「タイムリープ」の仕組みを「意識」と「無意識」だけで解明する2回目。
2019年時点で可能性の高いタイムリープまでの流れを説明すると、
※過去へのタイムリープで書いているが、未来へも同じ要領。
●「現時点で一番可能性の高いタイムリープする方法」(2019年度版)
(1).夢の中で夢を見ていると気づく「明晰夢」を繰り返し見る訓練をして、夢の内容を思いのままにコントロールできるようにする。
↓
(2).明晰夢で過去の世界を構築する。
↓
(3).構築した過去の世界を何度も体験することによって、過去の世界が現実よりも当たり前になるように身をなじませ、夢を現実に変える。
(1)から(2)まではオーストラリア・アデレード大学のデンホルム・アスピー博士の明晰夢テクニックで可能性が高まるが、(2)から(3)までの部分をどう実現するかは明確になっていなかった。
今回はその最後の部分をはっきりさせ、その仕組みが論理的に説明可能で、訓練したり何らかの装置を使うことで誰でも体験できるタイムリープの方法を解説していく。
その鍵になるのは
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「引き寄せの法則」だ。
ちょっと待った!
「引き寄せの法則」なんてスピリチュアルの代表じゃないか!
再現性のある実験可能な方法、つまり科学的な方法でタイムリープの仕組みを解明するんじゃなかったのか!
そう思われると予想したから、前回(1回目)の、
●「タイムリープの仕組みを解明(1)」(量子論的スポットライト理論)
で、まわりくどく脳機能から生み出される「意識」と「無意識」そして「時間の流れ」を説明したのだ。
あらためてポイントをまとめると、
●脳はすぐれた「時間知覚能力」をもっているが、それは脳の「無意識」下によって調整されたあいまいなもの。
●「あなた」という意識は、実際には0.3秒遅れの世界を見ている。
●あなたの自由意志が「意識」上に芽生える0.9秒前にはすでに、「無意識」下でニューロンの計算が行われている。つまりあなたの主観は錯覚みたいなもの。
●神経学者と物理学者の共通意見として、「時間が流れている」とわれわれが感じる感覚も錯覚。
●物理学でいえば宇宙誕生から終わりまでの「過去・現在・未来」のすべての時間は同時に存在しており、過去から現在へ、現在から未来にスポットライトが移動してくような様が「時間が流れている」ように見える。
●量子論的には、宇宙に存在するすべての時間の可能性は非局所的で定まっておらず、常にゆらいでいる。どの可能性を選択するかはシュレーディンガー方程式の確率による。
●神経学的には、「無意識」下のニューロンのランダムな発火によって生まれるものが「意識」。
整理すると、
●われわれの身体を動かしたり、何かを知覚しようとする自由意志、またそのときに生じる「意識」は、錯覚。「無意識」が可能性の1つをランダムに選択して未来へ進んでいるにすぎない。
その量子論的なストップライトの移動が「時間の流れ」を「意識」に感じさせている。
つまり脳が生み出した「意識」や「時間の流れ」が錯覚ならば、それはコントロール可能なはずだ。
錯覚である「意識」や「時間の流れ」を、もう一度「錯覚させる」=「修正する」ことができれば、自分の意識を過去(未来)の世界に移動させることができるはず、というのが私の仮説だ。
要するに「意識をだまして過去(未来)の世界だと思い込ませる」のだ。
さきほど「引き寄せの法則」が鍵だと書いたのは、「意識」を錯覚させる方法の1つとして手っ取り早そうだと思ったからだ。
「引き寄せの法則」をいろいろな本やネットで調べた結果、「一番核心に近い」と思ったのが、以下の不思議.netの記事だ。
2017/7/23 不思議.netより
スレ主によると「引き寄せの法則」とはつまり、「確信したことが現実になる法則」だ。
単純に願望をイメージしたり考えるだけではダメで、願望をいかに「精神→言葉→行動」のプロセスに落とし込むことが重要だ。
例えばお金を手に入れたい場合、「お金が欲しいな」、「宝くじ当たらないかな」、「どこかにお金落ちてないかな」ではなく、自分を確信させる言葉を発し、行動する。
具体的には「お金を引き出しにATMへ行く」、ATMに預金がなければ「日雇いのアルバイトを探す」、あるいは「メルカリでいらないものを売る」でもいい。そのアイデアを思い描いて言葉に出す。
ポイントは願望を実現するために「解決できる」アイデアを描くこと。
自分が「解決できる」という確信が必要で、あなたの心は、それに基づいて数ある選択肢の中から最適解を導き出す。
「アファメーション」という方法もある。
「アファメーション」とは、実際に「もうある、なった」と思うこと。
断定的に、肯定的に、「もうかなっている」と言葉に出したりイメージすることで、意識に確信を与える。
「〇〇はほしくない」などの否定的な言葉や、「〇〇になりたい」などの未来形は避け、「私は今〇〇だ」とすでに現在手に入った状態の言葉で意識を確信させる。
現在形ですでに実現している、手に入れているものとして願望を紙に書いたり、言葉にして録音した音声を聞くのが効果的だ。
【脳が生み出す「意識」と「無意識」と「時間の流れ」】で考察した結果に従えば、なぜ「引き寄せの法則」や「アフィーメーション」が上手く働くのかが説明できる。
要するに「引き寄せの法則」や「アフィーメーション」は、「無意識」の二次的な産物である「意識」をだます方法なのだ。
つまり、意識を上手に確信(錯覚)させることで、人生の主人公である「あなた」に願望が実現したという「臨場感」を与えるのだ。
「引き寄せの法則」がテーマのたくさんの本が書店のワンコーナーを独占しているのだから、何らかの効果はあるのだろう。
これをタイムリープに使うにはどうするか?
いよいよ再現性があり実験可能で、訓練次第で誰でも実現可能なタイムリープの方法を解説しよう。
(1).夢の中で夢を見ていると気づく「明晰夢」を繰り返し見る訓練をして、夢の内容を思いのままにコントロールできるようにする。
↓
(2).明晰夢で過去の世界を構築する。
↓
(3).過去の世界にいる自分を何度も体験させることで意識をだまし、過去の世界が現実だと意識に確信させる。
(1)から(2)は明晰夢で実現可能なので、
※「現時点で一番可能性の高いタイムリープする方法」(2019年度版)を参照
(3)の具体的な方法として、
明晰夢を見やすい2度寝のタイミング(入眠から5時間後に目を覚まし、眠りの浅いレム睡眠に入るとき)に自己暗示、あるいは他者の催眠によって、次に眠ったとき「自分は今過去の世界にいる」と促すメッセージを脳に送る。
例えばレム睡眠の特徴である急速眼球運動を検出し、そのタイミングで事前にあなたの声で録音しておいた「〇〇(あなたの名前)、君は今過去の世界にいる」とメッセージを耳元で流し、自己暗示をかけるのである。
いや待った!
これは「精神が身体を離れて時間移動する」わけではなく、ただの夢じゃないか!
そう、このバーチャル・タイムリープはその名の通り「擬似的」なタイムリープ=つまり主観をだまして「夢の中の過去世界に意識をとどまり続けさせる明晰夢」だ。
だが、この方法であれば誰でも訓練しだいで、明晰夢によるありありとした過去の世界を体験できる。
将来的に長時間明晰夢をコントロールできる技術が開発されれば、例えば回復の見込みのない病に侵された患者の心のケアとして、残り少ない余生を自分の幸せだった時間の中で過ごしてもらうことも可能になるだろう。
「患者が夢の中で過去の世界を体験したまま生涯を終えること」=「過去の世界にタイムリープして、その世界にとどまり続けること」と何ら違いはない。
例えば明晰夢研究の第一人者として有名な神経生理学者のスティーヴン・ラバージ博士の著書「明晰夢―夢見の技法」の中で、明晰夢から覚めない手段として「回転」を利用する方法を紹介している。
フィギュアスケートの選手のように夢の中で回転することで、レム睡眠に関わっているとされる脳の前庭器官を刺激し、明晰夢が継続できるという。
※この本は1980年代に書かれたものなので内容的に少し古いが、ラバージ博士らの基礎研究の積み上げがあったからこそアスピー博士の明晰夢テクニックが開発できたことがよくわかる本だ。
このバーチャル・タイムリープによって、今年春、それまで現れていた未来人の新元号予言がことごとくはずれた理由も説明できる。
タイムリープで未来からやってきたという未来人が何人もネット掲示板やツイッターに登場したが、新元号の「令和」を当てた未来人は誰もいなかった。
それはつまり、彼らはみな未来から現代にタイムリープしてきたのではなく、明晰夢で未来の世界を体験して目覚めた擬似タイムリーパーだったのである。
バーチャル・タイムリープでは、未来を予言することはできない。
量子論的タイムスポット理論に基づいても、この世は非局所的で常に揺らいでおり、違う可能性のタイムライン(シュタインズ・ゲート風に言えば世界線)に行った場合、元の世界に戻ることはほぼ不可能だ。
だから精神だけとはいえ、違う可能性の未来に移動してから元のタイムラインの過去に戻ってネット掲示板に投稿することなど、ありえるはずがないのだ。
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しかし、世の中はいまだ不思議に満ちている。
そうとも言い切れない事例がある。
未来人たちは新元号を当てられなかったが、ツイッターで1人だけ、3年前の2016年7月13日に新元号を予言していた人物がいた。
●新元号「令和」2016年にTwitterで予言されていたwwwwwwwww
2019/4/1 不思議.netより
もしかしたらバーチャル・タイムリープのその先に、「真のタイムリープ」が存在するのかもしれない。
その可能性は、ノンレム睡眠(一番深い眠り)にある。
「病気の妻がタイムトラベルして小学生の自分に会いに来てくれた話」に登場するR子さんや、誰もがタイムリープできる未来からやってきた300年リーパー氏も、本当のタイムリープはノンレム睡眠時のときにできると主張している。
※詳しくはこのサイトの「タイムリープで過去に戻る方法(2)」(クォンタム・アクセスを反転させてリープ)を参照。
睡眠の機能として、脳を外界から切り離し、脳を休息させたり記憶を整理したりする役割がある。
「脳と時間を切り離す」ことがポイントだ。
時間(が流れているという錯覚)から脳を切り離すためには、レム睡眠よりむしろノンレム睡眠が最適なのだ。
この世界は非局所性が真実だとすれば、現在の無意識は、過去や未来に存在するタイムラインのさまざまな無意識と量子もつれでつながっている可能性がある。
※詳しくはこのサイトの「この世界の真の姿は『非局所性』ーアンプリチューヘドロンー」を参照。
「真のタイムリープ」とは、時間と切り離された無意識を錯覚させて、過去や未来に存在する他のタイムラインの無意識とつなぐ方法だ。
300年リーパー的に言えば、過去や未来の無意識を、現在の無意識が「のっとる」。
「バーチャル・タイムリープ」が現在の主観(意識)をだます方法だとすれば、「真のタイムリープ」は、過去や未来の無意識を現在の無意識が奪い取り、そこから過去や未来にいる主観(意識)を生み出すのだ。
タイムリーパーの中には数日後のニュースを言い当てたものもいる。
2013/9/26 不思議.netより
やはり精神だけが身体を離れて時間移動する「真のタイムリープ」は存在し、もしかしたら「臨死体験」や「生まれ変わり」も、この「真のタイムリープ」から生じる現象なのかもしれない。
しかし「真のタイムリープ」に成功すれば、現在のタイムラインに戻ってくることは限りなく不可能だ。
だから一度行ったら行ったきりのタイムリープで、再現性がなく、実証することが難しい「疑似科学」だ。
しかし私は「バーチャル・タイムリープ」のデータを積み重ねることで、「真のタイムリープ」の手がかりがつかめると信じている。
いずれにせよバーチャル・タイムリープだけでもエンターテイメントやメンタルケアの分野で役に立つ研究になる。
これからもタイムリープの研究を続けていく。
ご協力いただける研究者、支援いただける方からの連絡をお待ちしている。