「時空を歪める霧の謎(2)(時間ストーム)」

2016/11/19

 

「時空を歪める霧の謎(1)(霧とタイムスリップ)」の続き。

前回「霧」がタイムスリップや異次元へと導いた事例をいくつか紹介したが、「霧」と時空の歪みとはどのような関係があるのか?

「霧」の謎を解明するために前回の最後で触れた「時間ストーム」について考察していきたい。

「時間ストーム」とは「宇宙NEWS LETTERS」の記事によれば、イギリスのUFO研究家、ジェニー・ランドルズが2002年に発表した著作「時間ストーム:時空異常と時間転移の驚くべき証拠」という本で紹介された、大気の電磁気的擾乱から発生する白い霧(電子雲)の現象である。

この本を実際に読みたくなりネットで検索してみたがまったくヒットせず、代わりに2007年に発行されたランドルズの著作「タイムマシン開発競争に挑んだ物理学者たち」という本を買ってみた。

内容的にはタイトルどおりタイムトラベルやタイムマシンをテーマとして扱っており、このサイトでも「タピオカ理論(4)(質量のある光をまとってGO!)」で紹介したような光を止める実験からはじまり、テスラやアインシュタインからマレットまで古今東西の物理学者が発明したタイムマシン(とそれに類するもの)やH・G・ウエルズなどのSF小説にでてくるタイムタイムマシンが紹介され、とても興味深い読み物だった。

ただしUFO研究家という著者の経歴を差し引いても本書の文頭に「20世紀以降の物理学と認めがたい箇所を文章上部の横バーで示す」と出版社側の注意書きがされており、現在の物理学と反するような内容もあるとのこと(私的にはバーで示された箇所でも理論的な可能性として認めてもよいと思う部分があったり、バーがない箇所でそれはおかしいだろうと思う箇所があったが・・・)。

だから純粋な物理学の書としてよりもサイエンス・エンタテイメントとして読んだ方が楽しめそう。

前置きが長くなったがランドルズの「タイムマシン開発競争に挑んだ物理学者たち」にも最後に近い箇所で「時間ストーム」が触れられており、タイムスリップを誘引するような時空の歪みを引き起こす自然界での現象として紹介されている。

「宇宙NEWS LETTERS」の記事によれば「時間ストームは光速度で移動できる時間も空間もない電磁エネルギー場で構成されており、この宇宙は万物が同じだが、少しずつ異なる無数のパラレルワールドからできていて、そのワールド間の往来を可能にする天然の窓」と説明されている。

「宇宙NEWS LETTERS」ではさらに、まだ科学的に未解明としながらも「空間の電磁気的擾乱が原因で大気中や地表に発生する“電子霧”が存在し、その電磁気的強度に応じて、まれに時空間ワープ、すなわち“タイムトンネル”効果を引き起こす。それにはプラズマの形成が関わっているに違いない。一種のプラズマホール、プラズマ・ホットスポットとして出現したもの」と言っている。

子供のころトワイライトゾーンを見て興奮した私にとってはとても興味がそそられる表現だが、現在の物理学として考えると何だかよくわからない説明なので、ここは冷静になって少しずつ考察していきたい。

まず基本的に「霧」とは何か?

霧は早朝や夜などに放射冷却によって地面付近の空気が冷やされ、水蒸気が水粒となって発生する。寒い日に吐く息が白くなったり、お風呂で白い湯気が出るのと同じ現象である。小学生の理科のような説明で恐縮だが、この段階でタイムトラベルを誘引するような要素はまったくない。

次にランドルズによると「時間ストーム」に関係する霧は大気の電磁気的擾乱から発生する電子雲の白い霧だという。

電子雲とは何か? wikiなどで調べたところ、

原子核のまわりをまわっている電子のイメージは、あたかも太陽のまわりを公転する惑星のようなイメージでとらえられるが、量子力学的には確定した位置と速度を持つ「粒子」ではなく、雲のようにぼんやりと確率的に分布するものと考えられる。これを電子雲と言い、電子は波動関数Ψで表わされる。

ということは電子雲は量子力学でいう「電子の位置と速度を同時に決定できない」ことを例えた表現であり、大気の電磁気的擾乱から発生するものという表現はランドルズさんには悪いがおかしい。白い霧というが白色である必要性もない。

それでは「宇宙NEWS LETTERS」で示唆されている「プラズマの形成」との関係はどうか?

大槻教授で有名になったプラズマをネットで調べてみる(私はちなみに韮澤さんのファン)。

プラズマとは固体・液体・気体に続く物質の第4の状態で、気体からさらに温度が上昇すると原子核のまわりをまわっていた電子が原子から離れて(電離という)、陽イオンと電子に分かれて運動している状態をいう。

自然界のプラズマとしては雷が有名だが、火も燃料が電離したものでプラズマの一種だそう。また大気中の窒素や酸素が太陽風からの電子線によって発光するオーロラもプラズマの例として有名だ。

また宇宙空間では全宇宙の質量の99%以上がプラズマであり、宇宙空間ではプラズマは最もありふれた物質の状態だそう。実は太陽もプラズマの状態で輝いている。

プラズマが時空の歪みやタイムトラベルにどういった影響を与えるのか?

ネットで調べてみた限りではトンデモ的なネタは別として直接関係するような理論はなかった。

ただ前回の事例で紹介した東日本大震災の際にワゴンを包み込んだ光る雲や、エニグマのまとめサイトに投稿された子供を連れてドライブ中のお父さんが体験した紫色に光る霧などは、プラズマの特徴である発光現象と結びつかないこともない。

特にLHCの実験の記事の下の動画に写っていた雲の渦に吸い込まれていく光る玉などは、プラズマが原因と考えられる球電という現象によく似ている。

次回はこの球電という現象について掘り下げていきたい。