●「マンデラ効果の原因とは?」(勘違い?orタイムマシンの影響?)
2018/11/23

 

記憶違いのイメージ

最近気になっている不思議現象「マンデラ効果」を再びテーマにして、その原因をさぐっていきたい。

このサイトでは過去に2度マンデラ効果を考察している。

「並行記憶(1)(マンデラ・エフェクト)」2017/3/3執筆

「時間と宇宙と運命の法則(3)」(マンデラ効果の原因)2018/9/14執筆・10/24加筆

はじめて耳にする方もいると思うので簡単に説明すると「マンデラ効果(マンデラ・エフェクト)」とは、それまで信じ込んでいた記憶がまったくの誤りだったという「記憶のエラー」を複数人で体験する現象だ。

ネット掲示板「5ちゃんねる」のマンデラ効果をテーマにしたスレッド「【マンデラ】現実と違う自分の記憶【宮尾すすむ】」シリーズの勢いも増している。
※ある話題についてみんなで投稿しあう集まりのこと。

「時間と宇宙と運命の法則(3)」で紹介した9月の時点で21スレッド目だったが、今日(2018年11月23日)の時点ですでに26スレッド目に突入している。
※最新スレッドは「【マンデラ】現実と違う自分の記憶26【宮尾すすむ】」

投稿数でいうとこの2ヶ月で5000近くも増えている。中には荒らしの投稿も含まれるが、それにしても勢いがあることに違いない。
※スレッドのテーマに関係のない独りよがりな投稿を続ける人。


今までの2回の考察では、マンデラ効果の原因に関して、「並行記憶(1)」ではパラレルワールド(並行宇宙)の記憶ではないかと考えた。

最近書いた「時間と宇宙と運命の法則(3)」ではもう少し踏み込み、異なる並行宇宙のCERN(セルン/欧州原子核研究機構)のLHC(エル・エイチ・シー/大型ハドロン衝突型加速器)から発せられた重力波の干渉が原因ではないかという仮説を立てた。

どちらもパラレルワールド(並行宇宙)から考えたので、今回はまったく違う視点から原因をさぐってみたい。


まず5ちゃんねるで「異世界とこの世界の2つの記憶を持っている」というおもしい投稿を見つけたのでそれから紹介しよう。

●異世界総合スレッド 2 (時空の歪み・パラレルワールド)の659の投稿

投稿主は1年前に当時住んでいた東京の板橋区でミサイルの警報を聞き気を失い、気がつくと大阪にいたらしい。
※以下、投稿主を以前住んでいた場所にちなんで「板橋氏」と略す。

板橋氏がいた元の世界では日米同盟が昭和の時代で解消されており、米軍は日本から撤退し、かわりに日本はなんとロシアと同盟国になっていたそうだ。
元号平成ではなく、昭和が1991年まで続き8月に「明時("あかとき"と読む)」に変わった。

さらにこの世界との大きな違いとして、北朝鮮と韓国という国がなくロシア領になっており、中国は驚くことにアメリカと手を組み日露同盟と対立していたそうだ。

板橋氏のいた世界では日露は米中よりも勢いがあり、科学力もこの世界の日本と比べてAIや量子コンピュータ、無人戦闘機などの開発が進んでいた。さらに自衛隊ではなくちゃんとした陸・海・空の軍隊が存在していたという。

そして半年ほど前に中国とロシアで戦争がはじまり、日露と米中の戦争に発展。開戦時にロシアは中国のミサイル基地を徹底的に破壊したが漏れたところがいくつかあり、その1つから発射されたミサイル(核ミサイル?)によって元の世界の板橋氏は死んでしまい、この世界に飛ばされたのではないかと語っている。

なかなか興味深い話だ。板橋氏は現在32歳で、異世界の記憶に加えてこの世界のこれまでの記憶も持っている。
つまり1人の脳に2人分の記憶がある状態だ(異世界の記憶は徐々に薄れてきている)。

1人の脳に2つの記憶といえば、

●「記憶が2つあるんだが」 謎に包まれたヴォイニッチ手稿が読める男の話
2011/8/31 不思議.netより

が有名だが、マンデラ効果も言ってしまえば現実の記憶と、異なる記憶の2つをたくさんの人が共有している現象だ。

まず今回は人間の記憶のあいまいさという観点から考えてみたい。


名作「レナードの朝」の原作者として知られるイギリスの神経学者オリバー・サックス博士(wiki)の著書を読むと、人間の記憶がどれだけあいまいでエラーを起こしやすいかがわかる。

オリバー博士は子供だった第2次大戦時に2度の空爆を体験したことをずっと覚えていたが、1回目の空爆は現実だったものの、大人になってから兄の指摘により2回目の空爆は知人の手紙から想像して作り上げた偽の記憶だったことがわかったという。

博士によれば、人は記憶を思い出す時に新たな記憶を作り出してしまう傾向がある。
そしていったん真実だったと思い込んでしまった記憶は、それが後に誤った記憶とわかってもなかなか嘘の記憶だと受け入れることができない。

例えば宇宙人にさらわれたという現実離れした記憶があきらかに間違いだとわかっても、なかなか嘘の記憶と受け入れることができない人がいるという。
※オリバー・サックス著『意識の川をゆく: 脳神経科医が探る「心」の起源』第5章「記憶は誤りやすい」より。


人の記憶のあいまいさがわかったところで、次に誤った記憶がどのように集団的に形成されるのかを調べてみた。

「集合的記憶」「メディア」の関係を研究している中京大学の齊藤公輔准教授によると

個人的な精神活動のような内的な記憶を「個人的記憶」、対して社会的・文化的な枠組みに共通する外的な記憶を「集団的記憶」とすると、集団的記憶は1970年代から80年代、90年代にはテレビなどのマスメディアが大きな影響力をもっていたが、2000年以降になるとインターネットが大きなインパクトを与えているという。
※関西大学『独逸文学』第51号2007年3月「集団的記憶研究の素地」より


確かにマンデラ効果の名前の由来となったネルソン・マンデラ氏が投獄中の1980年代すでに亡くなっていたという誤った記憶(実際は亡くなったのは2013年)は同時期に放送されたテレビのニュースによって形成された可能性が高い。
また5ちゃんねるスレッドのタイトルにもなっている宮尾すすむ氏は、80年代に放送されたテレビ番組で人気だった人物だ。

しかしこの現象が実際に盛り上がってきたのは超常現象研究家のフィオナ・ブルーム氏が集団的な記憶違い現象に「マンデラ・エフェクト」と名づけて2009年にサイトを立ち上げてからだし、日本でもこの現象が知られたきっかけは、2011年に2ちゃんねる(5ちゃんねるの前身のネット掲示板)に立てられた、宮尾氏のような「すでに亡くなったと誤解されている有名人」のスレッドからだ。

ちなみにオックスフォード大学の最新の研究によれば、記憶に関する脳波を電気刺激によって操作することで、将来的に違う記憶を植えつけることが可能かもしれないという。

●脳がハッキングされる時代がくる。記憶を電気刺激で操作する技術が実現に向けて加速中
2018/11/14 Nazolozyより


だが、たとえ人の記憶があいまいでよくエラーを起こしても、さらに人為的に操作される可能性があっても、その勘違いの記憶がたくさんの人に共有されていることを、すべてテレビやネットのせいにするのは難しいだろう。

他にマンデラ効果の原因について考えられる仮設はないかと探していたところ、あるSF小説からそのヒントを思いついた。

「星を継ぐもの」に代表さるハードSFを得意とする作家ジェイムズ・P・ホーガンの「未来からのホットライン」だ。

タイムマシンをテーマとしており、もともとの小説版はハードSFらしく読みごたえあるが、物語が進みはじめるまでの難解なタイムトラベル理論の説明にうんざりする人もいると思うので、読みやすい「未来からのホットライン (漫画版)」がオススメだ。 


物語は老齢な物理学者が過去にメッセージを送ることのできるタイムマシンを開発したところからはじまる。
ちなみにこの小説はタイムリープをテーマとした人気SFアニメ「シュタインズ・ゲート」のアイデアの元になった作品とも言われている。

あまり詳しく紹介すると未読の方にもうしわけないのでさらっと説明すると、「未来からのホットライン」では過去にメッセージを送ってその影響で過去が変わると、改変を受けた部分の歴史がすべて消え去り、新しい歴史に入れ替わる。

例えば機械の故障で旅客機が墜落して大勢の乗客が亡くなった事故が起こったとする。

この事故を防ぐために墜落の原因となった機械の故障を警告するメッセージをタイムマシンで過去に送ると、警告を信じて故障を修理し原因を取り除くことができれば、旅客機事故が起こらない歴史に入れ替わる。
事故で亡くなるはずだった乗客も生きているし、そもそも事故に関する記憶を誰も覚えていないのだ。

これはSF小説の話だが、実際に過去に行くことのできるタイムマシンが発明されたとしたら、これと同じようなことが起こる可能性は高い。

ただし量子力学によると、現実は少しだけ異なるかもしれない。


ミクロの世界を研究する量子力学では、量子粒子の2つの性質を持ち、普段はのように空間に広がって場所を特定することができないが、いったん観測されると粒子として1箇所に場所が定まる。

波のような量子がいつ粒子として特定されるのかはいろいろな解釈があるが、代表的なのは、観測によって波として広がっていた量子が1点に収束するという「コペンハーゲン解釈」だ。

これに対し最近支持を広げているのが、宇宙という1つの器の中にもともとたくさんの可能性が重なって存在し、観測者は方程式によって選択されたいずれかの世界の記憶に属していくという「多世界解釈」だ。

多世界解釈では選択されなかった可能性は収束することなくそのまま存在している。

※詳しくは「時間と宇宙と運命の法則(2)」(多世界とホログラムと糸)を参照。

多世界解釈が正しければ選択されなかった可能性も消えずに残ったままなので、タイムマシンによって過去が改変されると、改変によって選択されなかった可能性が現実になったり、逆に選択されていた可能性がリセットされたりする。

この可能性の入れ替えをシュレーディンガーの猫を例にして、猫が生きている世界と死んでいる世界で例えると、

タイムマシンによる過去改変によって可能性が入れ替わる

こんな風に過去改変の影響で猫の生死が入れ替わる。
※シュレーディンガーの猫について詳しくは「時間と宇宙と運命の法則(2)」(多世界とホログラムと糸)を参照。


多世界解釈が正しかったとして「未来からのホットライン」と異なるのは、選択されなかった可能性は消えずに残ったままなので、改変される前の記憶を持つ人々がその中にいてもおかしくはない。

その記憶の名残がマンデラ効果という現象なのではないか?

ということはつまり・・・この世界にはすでにタイムマシンが存在していて、そのタイムマシンが歴史を変えた影響が現れていることになる。

以前に「2018上半期に登場した未来人とタイムトラベラー」で12人の未来人を紹介したが、彼らのうち8人がタイムマシンはすでにこの時代にあると主張し、そのうち3人は10年後の2028年に一般人にタイムマシンの存在が公表されると予言している。

もしかしたら10年後、マンデラ効果の原因が明かになるかもしれない。