●「10年ぶりに時を超えて出勤してきた男」(未来にタイムスリップした浦島氏)

2019/6/19

 

10年後の未来へタイムスリップした男のイメージ

ひさしぶりにネット掲示板「5ch」からタイムスリップの話を考察。

タイムスリップとは自分の意思に関係なく、何らかの原因で過去や未来に身体ごと時間移動すること。

 

●不可解な体験、謎な話~enigma~ Part108 

 の220番目の投稿から。

 

投稿者は工事関係の会社を経営している社長(以下投稿番号から「220社長」と呼ぶ)。

 

10年以上前に突然出勤してこなくなった職人がいて、連絡もつかず家族(奥さん)に聞いても朝出勤したっきり行方がわからなくなっていた。

 

しかし去年の暮れ、昼ごろひょっこり会社に現れた。

 

220社長によると、その職人(220社長が昔話の浦島太郎にちなんで彼のことをそう呼んでいるので以下「浦島氏」)は、朝会社に出勤しようと自転車で出かけたところ、道に迷ってしまった。

※浦島氏の自宅から会社までは自転車で5分の距離。

 

お腹がすいたのでコンビニ(ファミリーマート)で弁当を買って店を出たら、乗ってきた自転車がボロボロになっており、サドルも盗まれていた。

ボロボロの自転車を触っていたら今度はさっき買ったばかりの弁当がなくなり、弁当を探していたらついに自転車までなくなってしまった。

 

この時点でやっとコンビニから道路をはさんで向かいに会社があったことに気づき、歩いてきたとのこと。

 

つまり浦島氏が道に迷ってコンビニで弁当を買っている間に、周囲では10年が経過していたというのだ。

 

ちなみに220社長が浦島氏を会社で見つけたときは、何も持たず手ぶらだった。

リュックを背負っていたというが、コンビニで支払いをして財布をその中にしまったあと、いつの間にかなくなっていたらしい。

 

浦島氏ののんびりした性格にもあきれるが、220社長によると彼が現れたときの服装は会社名入りのベストにシャツ&ズボンという10年前失踪した当時のままで、髪型も顔も記憶している傷の位置も昔のままだった。

 

一番けなげだったのは浦島氏の奥さん。

夫が突然失踪したというのに離婚届けも出さず、10年間同じアパートに住み続けて夫の帰りを待っていた。

 

220社長が奥さんに連絡すると迎えに来て、それほど怒りもせずにそのまま精神科に連れていったそうだ。

 

医師には解離性障害の一種「解離性遁走」(コトバンクより)と診断され、10年間の記憶がないのはそのせいだと告げられた。

 

220社長は「浦島氏に10年経ったという認識がないのは記憶喪失で理解できるが、体力や見た目があきらかに若く見える」と言っており、医師の診断に納得していないようだ。

 

もし浦島氏の言葉通りに本人も知らない間にタイムスリップして10年の時を超えて出勤したのなら、非常に興味深い話だ。

 

さらに今回は当事者の浦島氏ではなく、それを見つけた第3者(220社長)の投稿で、それも珍しいケースだ。

 

いずれにしてもこのサイトの趣旨から「浦島氏が10年の時を超えて未来にタイムスリップした」ことを前提に、どのような仕組み(or原因)でこの事件が起こったのかを考察していく。

 

 

【浦島氏がタイムスリップしたのはいつ、どこでか?】

 

浦島氏は詳しい説明をしてないので、どのタイミングでタイムスリップしたのかわらかないが、

 

●浦島氏が朝家を出たあと、通いなれたはずの通勤路なのに道に迷ってしまった。

 

●コンビニから出ると自転車がボロボロに。10年の時間が自転車だけに経過していた。

 

以上から、タイムスリップしたのは「朝出勤して道に迷ってから、コンビニの外に出るまで」の間だと推測できる。

 

 

次にどうやって10年後の未来へタイムスリップしたのか?

 

浦島氏がタイムスリップした仕組みとは?

 

まず最初に時間の流れが変化する原因として、理論的に一番説明ができそうな相対性理論で考えてみる。

 

【仮設1】

浦島氏は道に迷っている間に「非常に高速で振動する空間(特殊相対性理論)」か、あるいは「非常に重力の強い空間(一般相対性理論)」に紛れ込んでしまい、彼の時間の進む速度が周囲に比べて非常に遅くなってしまった。

その後コンビニを出て通常の速度の時間に戻り、時間が遅くなったときの10年分だけ未来にタイムスリップした。

※相対性理論で時間が遅くなる仕組みはこのサイトの「時間旅行入門」を参照。

 

→しかし浦島氏の話の中に「自転車を光に近いスピードでこいだり、押しつぶされるような強い重力にされされた」という描写がないので、この仮設は否定される(もちろんそんな異常な空間で人間が生きられるとも思えない)。

 

 

次に今流行のパラレルワールド、例えば時間の進み方が違う並行宇宙(マルチバース)に移動してしまったという説はどうか?

 

このマルチバース説に関して、220社長がその後の投稿で注目すべき発言をしている。

 

●(コンビニが会社の向かいなので)毎日ぐらい見ているが、浦島氏の自転車はなかった。

 

●浦島氏によると弁当を買ったときの店員が外人だった。220社長の知る限りこのコンビニで外人が店頭にいるのは深夜帯だけだ。

 

【仮設2】

浦島氏は偶然10年先を進むこの宇宙とよく似た(が少しだけ違う)並行宇宙に移動してしまい、そこから再び元の宇宙に戻ってきた。

 

→この説ならばコンビニに深夜帯しか勤務してないはずの外国人がいたり、220社長が浦島氏の自転車を見ていない理由も並行宇宙に置いてきたということで説明がつく。

並行宇宙(マルチバース)を使ったタイムトラベルは下記を参照。

 

●「今、マルチバース理論が熱い!」(マルチバースによるタイムトラベル)

 

ただし並行宇宙への移動だと、こちらの世界に戻ってきたときには10年前の時間に戻るはずだ。

しかしこの宇宙も浦島氏が失踪したときから10年が経過している。

 

ということはこの宇宙もまた、浦島氏がいた元の宇宙とは違う、よく似ていはいるが別の並行宇宙なのか?

 

それとも元の宇宙だが、浦島氏が戻ってくるときに時間の調整力か何かで10年先へタイムトラベルしてしまったのか?

 

この仮設もパラドックスを含んでいる。

 

 

最後にもっと突飛な説。

 

【仮設3】

この世界は何者かによってつくられたシミュレーションで、浦島氏はたまたま生じたプログラムのエラーによって10年先の未来へ飛ばされてしまった。

 

→コンビニの外人やボロボロになった自転車は浦島氏を10年先の未来から元の世界に戻したときに整合性をつけるために現れた修正プログラムという仮説。

シミュレーション仮設に関しては下記を参照。

 

●「ドッペルゲンガーの謎(3)」(シミュレーション仮説)

 

何をバカなことと思われるかもしれないが、イギリスのオックスフォード大学のニック・ボストロム博士をはじめ、宇宙旅行で有名なアメリカの実業家イーロン・マスク氏もこの仮説を支持している。

 

シミュレーション仮設ならば浦島氏の身に起こった出来事をほぼすべて説明可能だが、難点は証明する術がないことだ。

 

「この世界がシミュレーションかも」というのは「マトリックス (字幕版)」が有名だが、次の2つもこの仮説をテーマに描いた映画で、メジャーではないがシミュレーション仮設を具体的にイメージできるのでお勧めだ。

 

 

いずれにしても今回のケースはいろいろと想像の広がる興味深い話だ。

 

このようなまだあまり出回っていない不思議な話をご存知の方は、ぜひこちらまでお知らせください。