2017/7/21
前回の続き。
今回はタイムリープのパラドックスと、その回避方法を考えてみたい。
タイムリープは意識のみが移動するので、身体ごと移動するタイムトラベルに比べれば、パラドックスはないように感じる。
でも2chの「タイムリープの方法について議論するスレ」では、
(1)タイムリープした元の身体はどうなるのか?
(2)タイムリープした先の意識はどうなるのか?
(3)タイムリープした先で記憶はどのように引き継がれるのか?
この3つの疑問がよく話題になる。
つまりこの3つがタイムリープの代表的なパラドックスといえるだろう。
タイムリープする方法については「もっともお手軽な過去を変える方法(3)」で明晰夢や、「タイムリープで過去に戻る方法(3)」でガンマ波を使った方法を紹介したが、この3つのパラドックスについては明確に解説していなかった。
特に(1)の「タイムリープした元の身体はどうなるのか?」について議論スレで多かったのが「リープした元の身体は死んでしまう」や「植物状態になる」という意見だ。
確かに意識がリープ後の世界に移動してしまと、元の身体は意識が抜けた「抜け殻状態」になり、「死んでしまう」と考えるのも不思議ではない。
議論スレではこれを「死にリープ」と呼び、逆に「死んでしまえばタイムリープできるんじゃないか?」と自殺をあおるような恐ろしい意見まで出た。
でも、そんなことは絶対にない!
「もっともお手軽な過去を変える方法(1)」で紹介している「俺が過去に戻った話」
のように海でおぼれて意識がなくなりリープした例もあるが、議論スレでも有名な
初代リーパーや、300年リーパーは「死」と「タイムリープ」を結びつけてはいない。
「死」が「タイムリープ」と結びつかない理由を論理的に解説しよう。
もっとも、タイムリープを論理的に解説したサイトはほとんどないので、恐縮ながらこのサイトの「タイムリープで過去に戻る方法(1)」~「タイムリープで過去に戻る方法(3)」で考察した「クォンタム・リバース・アクセス」という仮説をベースとする。
「クォンタム・リバース・アクセス」とは何か?
われわれの意識を、「私」という実感を認識する「自我」、環境や経験に応じて自動的に反応する「無意識」、最深部に「魂」を仮定して階層化する。
アメリカの精神科医ジュリオ・トノーニ教授が提唱する「意識の統合情報理論」や慶応大学の前野隆司教授が提唱する「受動意識仮説 」を考察した結果、表層の「自我」と中間層の「無意識」は、脳が作り出している。
※今回だけを見た人は「自我は脳がつくりだした幻想」という考えに納得できないかもしれないが、その可能性は高い。詳しくは「リモート・ビューイングで過去を見る方法(2)」や「リモート・ビューイングで過去を見る方法(3)」を参照。
しかし最深部の「魂」に限っては、「脳」と「ホログラフィー宇宙の事象の地平面」とが、量子もつれによってアクセスしているかもしれない。
アメリカの物理学者レオナルド・サスキンド博士やオランダの物理学者ヘーラルト・トホーフト博士らが提唱する「ホログラフィー原理」に基づいた考え方で、ブラックホールだけでなくこの宇宙全体が、はるかかなたにある事象の地平面に描かれた2次元の情報の投影にすぎない可能性が示唆されている。
「ホログラフィー宇宙の事象の地平面」とは、われわれの宇宙の情報がはじまりから終わりまで描かれた設計図なのだ。
事象の地平面の情報を「0」と「1」のようなデジタルデータとしてとらえ、この情報にしたがって量子もつれにより深層意識下に「魂」を創発させるアクセスを「クォンタム・アクセス」と呼ぶ。
この「クォンタム・アクセス」は通常「事象の地平面→脳」という一方通行だが、何らかの方法でこの逆のアクセス「脳→事象の地平面」をたどることができれば、地平面の設計図にたどり着けるかもしれない。
これが「クォンタム・リバース・アクセス(Quantum Reverse Access)」だ。
事象の地平面には時間も空間もなく、理論的には過去や未来へ自由に行き来ができる。
つまり事象の地平面とのアクセスをリバースして、タイムリープが可能となるのだ。
さて、「クォンタム・リバース・アクセス」を前提に、タイムリープの3つのパラドックスの回避方法を考えてみよう。
(1)タイムリープした元の身体はどうなるのか?
↓
普段通りに生活している。
「クオンタイム・リバース・アクセス」で移動するのは「魂」だけである。
脳が作り出した「自我」や「無意識」はそのまま残っているので、外側からは何も変化がないように見えるだろう。
自由意志のない哲学的ゾンビかもしれないが、植物状態にもならないし、まして死ぬことはない。
(2)タイムリープした先の意識はどうなるのか?
↓
何の変化もない。
初代リーパーや300年リーパーが移動した先の意識を「のっとる」という物騒な表現を使っているので、「リープ先の人格を殺してしまうのでは?」、「それは殺人じゃないか!」などの意見がスレでも出ていたが、リープの先の自我や無意識はそのままで、深層部分の魂が移動(もしくは一時的なアクセス)するだけなので、移動先の自我や無意識には何の変化も生じない。
(3)タイムリープした先で記憶はどのように引き継がれるのか?
↓
事象の地平面の情報として引き継ぐことができる。
これは「クォンタム・リバース・アクセス」だからこそ解決可能だが、「脳」は「事象の地平面」と常にアクセスしており、われわれの記憶は脳だけでなく、地平面にもバックアップされている。したがって記憶の継承も可能である。
300年リーパーが睡眠時に記憶をひっぱってくるという話とも符合する。
以上、「クォンタム・リバース・アクセス」仮説に基づいて、タイムリープ・パラドックスの回避方法を考えてみた。
「それは違うんじゃないか?」、「おまえ勘違いしているぞ!」という意見があれば、ぜひこちらまで。