2016/11/4
2020/8/26更新
「未来人ジョン・タイターのタイムマシン解説(1)(カー・ブラックホールを使ったタイムトラベル)」の続き。
前回でカー・ブラックホールを使ったタイムトラベルを考察したが、今回はそれをもとにジョン・タイターのタイムマシンを解説をしていく。
まずはこちらの図を見ていただきたい。
これがジョン・タイターの使ったタイムマシンの解説図だ。
残念ながら、この解説図は解像度が低く、図に振られた番号の注釈も公開されていない。
※タイムマシンの仕組みが解析されるのを恐れて、わざとタイターが解像度の低いデータしか公表しなかったとも言われている。
ただし、もう1つの重要な図を、タイターは注釈入りで公開している。
それがこの「タイムマシン動作中に生成されるフィールド形状と時間ベクトルの図」だ。
図の番号の注釈(原文)はこちら。
①Daul Singularities in kerr field
②Output of negative time field
③Output of null time field
④Output of positive time field
⑤X-ray venting zone
⑥Vertical safe distance 6meters
⑦Mass offset 5meters
⑧Rear mass dist. 8meters
⑨Forward mass dist. 11meters
⑩Negative time event Horizon
⑪Null time event Horizon
⑫Positive time event Horizon
この図を書き起こし、注釈を翻訳して図に記入してみた。
原文の「Negative time」 、「Null
time」、「Positive
time」は直訳すれば、「負の時間」、「ニュートラルな時間」、「正の時間」だが、それぞれ「過去」、「現在」、「未来」と訳している。
図の中央には2つの特異点を取り巻く何重もの円が描かれている。
タイターは、アメリカのネット掲示板で、
タイムトラベルは、重力の強さを自在に変化させることにより達成される。
人工の2つのマイクロ特異点に電子を注入して荷電させ、カー・ニューマン・ブラックホールの事象の地平面の直径を拡大させる。
と語っている。
カー・ニューマン・ブラックホールならば、角運動量(回転の運動量)を増大させるか、電荷を与えることで、リング状の特異点を取り巻く事象の地平面が消えて、「裸の特異点」が出現する。
そして裸の特異点の周囲にはCTC(閉じた時間の輪)が形成される。
CTCに沿って進んでいくと、未来に向かって進んでいたのに、いつの間にか過去にたどり着いてしまう。
だから、裸の特異点のまわりのCTCを進んでいくことで、安全にタイムトラベルできる。
2つの特異点がある理由は、それぞれの特異点で発生させた重力を互いに相殺して、安全に通行できるCTCを作るためかもしれない。
それぞれの特異点の重力を強めていくと、一般相対性理論により、対象のフィールドの時間の流れが遅くなる。
時間の遅くなったフィールドから外に出ると、未来にタイムトラベルできる。
さらにどんどん特異点の重力を強めていくと、CTC(閉じた時間の輪)を未来から過去に進み、過去にタイムトラベルできる。
「タイムマシン動作中に生成されるフィールド形状と時間ベクトルの図」は、タイムマシンが発動した際に周囲に及ぼす影響も示している。
例えば、中心から前方11m、後方8m、高さ6mはタイムトラベルの影響を受けるので、タイムトラベルの見物客は、その領域外にいないと危険だ。
逆にタイムトラベラーは垂直距離6m×水平距離(質量相殺範囲)5m以内にいれば安全にタイムトラベルできる。
ところで、このジョン・タイターのタイムマシンにそっくりな図を使った特許が公開されているのをご存知だろうか?
申請者はマーリン・ポールマンという博士で、2004年合衆国特許商標局に出願され、2006年にすでに公開されている。
特許の全文はこちらを参照。
私のわかる範囲でざっと読んでみたが、本文の9割は相対性理論や量子力学の解説で、後半の1割でタイムトラベルの方法を解説しているようだ。
だが専門的な内容が多く、この方法でタイムトラベルが本当に可能なのか、私にはわからない。
はっきりしているのは、ジョン・タイターのタイムマシン図を解読できたとしても、すでに権利はマーリン博士のものだということ。 残念!