2019/2/25更新
※挑戦期間は終了し、残念ながら誰も正解を出すことはできなかった。
タコス氏の解答は一番下に掲載。
●課題
「多世界解釈で『タイムパラドックス』を起こす方法」を考える。
●報酬
タコス氏に直接会うことができる。
●期限
2019年2月22日(金)おそらく23:59まで
●答えがわかった人は、タコス氏のツイッターへ直接コメントしてください。(会話状態が見えるようにとのことなのでDMはなしで)
※タコス氏は2019/2/23に未来へ帰還しました。
●タコス氏について詳しくは、彼のツイッターのコメントをQ&A方式でまとめたこちらを参照。その情報量に驚かれると思う。まとめた私も驚いている。
Q:多世界解釈とは?
1957年にプリンストン大学の大学院生だったヒュー・エヴェレット3世が考案。
詳しくは、●多世界解釈の勘違いを参照
光や電子といったとても小さなミクロの世界を研究する「量子力学」で起こる、奇妙な現象を理解するための解釈の1つ。
シュレーディンガーの箱の中の猫は死んでいる状態(下図の赤)と生きている状態(下図の青)が重なったまま、われわれがそれぞれの世界に分岐していくという考え方。
タコス氏は世界が分岐していく、というのを強調しているので、
下記のイメージがわかりやすいと思う。
Q:タイムパラドックスとは?
代表的な2つがあるが、タコス氏が指定しているのは、
「親殺しのパラドックス」
マーティが過去にタイムトラベルして、自分が生まれる前にパパを殺す。
↓
マーティも生まれないことになってしまうが、それではパパを殺すことができない。
だからパパは生き残り、マーティは生まれる。
↓
マーティは成長すると過去にタイムトラベルして自分が生まれる前にパパを殺す。
これが無限ループになる。
●タコス氏からの細かい条件
さらに細かい条件があり、
1)並行世界は無限に存在するとする。
2)多次元時間(2次元時間)及びタコシエル効果等のタコス氏が伝えた理論を使用してはならない。
※2次元時間とタコシエル効果はこちらを参照。「使用してはならない」ので、むしろ読まない方がいいかも。
3)会話状態がタコス氏に見える様にする事。
※ツイッターで言うとDMではなく、リプライや普通のツイートでコミュニケーションして欲しいとの意味。
4)タコス氏は以降、この後のいかなる提案、質問も受け付けません。
※優しいので、けっこうヒントをくれたり質問にも答えてくれている。
5)現在の物理学的に主に、存在しないと考えられているものは使用してはならない
※どこまでが現代科学で、どこからが擬似科学は微妙だが・・・
6)タコス氏の求めるタイムパラドックスはCTC(閉じた時間の輪)ではない。
あくまで「親殺しのパラドックス」。
※これ、何か他にいいネーミングは?
●タコス氏からのヒント
・2019年で一般的に言われているとおりに、並行世界が無限に最初から存在するとしてそれで考えるのが一番、楽に到達出来るはずだそう。
・多世界解釈と並行世界、並行時間は別なものとして考えた方が良いかもしれない。
エヴェレットの多世界解釈では、巨大なマルチバース全体としては分岐しないが、観測者の目線で見る場合、世界は分岐している。
そして、この世界同士は干渉しない。世界同士を観測する事もできない。
この問題、タコスさんに言わせると、ソーン博士やホーキング博士、アインシュタイン並クラスの天才がいない限り即座の解決は難しいらしいです。
この時代に存在する人間の中で、数時間でこの問題を解決出来る賢者は恐らく4人だけ。
4日でこの問題を解けるのは凄まじい知性を持つ物理学者だけだそうです。
【参考1】
●BTTPがタコス氏に最初に出した解答(すべて間違っている)
(1)AI(量子コンピュータ)を使う方法
多世界を木から伸びた枝に見立てれば、その枝先すべてを壊すには、枝の元、つまり幹を壊すか、たくさんの枝を同時に壊さないといけないと思いました。
例えばタコスさんのいる強いAIがいる未来なら量子コンピュータも発達しており、量子的に広がるすべての並行世界に量子コンピュータでエラーを起こさせば、パラドックスを起すことができるのではと考えました。
タコス氏→これはタイムパラドックスではありません。
(2)タコスさんと私の関係から推測。
次にタコスさんの言葉をヒントにしました。
タコスさんが未来の私か、あるいは私の子孫の可能性です。
でもこれ、単一世界のタイムトラベルでしか起こりえないパラドックスです。
タコス氏→私は未来のあなたではありません。
(3)タコシエル効果を利用する方法
タイムトラベルでパラドックスが起こるのは時間が閉じた輪になったときです。
タコシエル効果でこれが起こるのは、重力が無限大になったとき、並行時間と物体の時間が直交したときです。それぞれの並行世界の時間はとまっているが、物体の時間は↑でぐるぐるまわっている。
このとき閉じた輪となりタイムパラドックスが起こるのではないですか?
タコス氏→自分が重大なミスを犯した。2次元時間とタコシエル効果を先に説明したら思いつくわけがない。この2つはタイムパラドックスの可能性をとことん排除する考え方。
【参考2】
●タコス式キップソーン博士のタイムマシン
ワームホールABを作ってBだけ高速で振動。AはそのままだがBだけ時間が遅れていくとする(ちょど2018年の半ばぐらいから2021年まで)
A0→B0、A1→B1のときは時間にずれはない。
だが2019年初頭のA2に入ると2019年半ばのB2から出てくる。
2020年のA3に入ると2021年のB3から出てくる。
今度は逆。
A0←B0、A1←B1のときは時間移動にずれはない。
だが2019年半ばのB2に入ると2019年初頭のA2から出てくる。
2021年のB3に入ると2020年のA3から出てくる。
2022年のB4に入ると2021年のA4から出てくる。
これは多世界タイムトラベルでもタイムパラドックスが起こせるという事に対しての物凄いヒントになるとのこと!
(0) A世界からスタートする
(1) A世界からB世界へのワームホール1を作る(※1)
(2) (1)と同時にA世界からB世界へのもう一つのワームホール2を作る
(3) 作成したワームホール1のAの扉を光速で振動開始 → B世界の時間が停止する
(4) (3)を行った瞬間、ワームホール2は分岐してB’世界が生まれる
(5) Aの扉を光速で振動させ続ける(A世界とB世界の時間がどんどんズレていく)
(しかし、B’世界の時間はA世界と同じように進んでいく(時間のズレなし))
(6) B’世界ではD君が誕生し、大人へと成長する
(7) B’世界のD君、bの扉を通ってA世界へ旅立つ
(8) B’世界のD君、Aの扉を通ってB世界へ旅立つ
(このB世界はまだ停止しているので、分岐前の状態と同じ)
(9) Aの扉の振動を停止 → B世界がようやく動き出す
(10)B’世界のD君が自分の親(P氏)をコロす
(11)平行世界におけるタイムパラドックス、完成?
※1 作った全てのワームホールは、ずっと維持し続けること
※2 登場人物は、全て架空の人物であり、実在する方とはなんら関係はありません。
アテマイさん、すさまじい!
●その後、日が変わって2月23日になり、タコス氏から正しい答えが説明された。
●多世界解釈でタイムパラドックスを起こす方法【タコス氏の解答】
Q:多世界解釈パラドックスのヒントは?
映画をヒントにするなら最もベストはインターステラーです。
ぎりぎりの所でインターステラーを出しましたが、インターステラーのどこに鍵があるのか?
ちなみにこの問題。実は、まともな方法じゃ解けません。
ですが、必勝法が存在したのです。
パラドックスにパラドックスをぶつけます。
インターステラーにはブラックホールが登場しますよね?
皆さんはブラックホールに落ちたらどうなるのかご存知ですか?
↓昔の記事ですが、こんなのを見つけたのでもし良ければどうぞ
●ブラックホールに吸い込まれると人間はどうなってしまうのか?
2015/6/9 GigaziNEより
Q:タコス氏も人工のブラックホール通ってきたのでは?
まぁ、私はブラックホールを通った訳ではないのですが……問題なのはそこではありません。
Q:時間が無限に伸びて停止するんだっけ?
その通りです。
そう、ブラックホールの外から観測すれば……
Q:でもタイムトラベルとブラックホールの情報パラドックスは関係ないって言ってなかった?
はい、そうですよ。
「直接的」には関係ないのですが、これを関係させます。
まぁ、事象の地平面の中でもブラックホールにぶつかって砕けて重量でぺったんこになって圧縮されて、ブラックホールの一部になって終わります。
普通ならです。
正解は「事象の地平面の下にワームホールをつなげる」ということでした。
どうやって親殺しのタイムパラドックスを発生させるのかと言いますと、
この世界に戻れば、そこには事象の地平面で止まっている自分がいるので、それを殺せばクリアなわけです。
現状ではただ並行世界に移動しただけですので、ワームホールを使って元の世界に楽々と戻れます。
なんと、これをやると自分の存在が200%になります。
タコシエル効果を考慮すると、この殺した自分は並行時間から流れてきた自分ですので一切問題はありません。
よって、この方法でタイムパラドックスは起こせません。
※タコシエル効果を使えば、ということで現代物理学だとパラドックスになる。
ちなみに、この事象の地平面で止まっている自分は何もしなくてもホーキング放射で死にます。
これはただの有り得ない現象です。
仮に負の確率を合わせるならば、マイナス100%の可能性はブラックホールに落ちた自分の存在で、もう1つの100%はワームホールに入って助かったという事ですね。
Q:パラドックスによって存在が不確定になるということ?
はい、そうですよ。
Q:これワームホールに落ちた回数だけ自分の分身が地平面上に残るってこと?
もう一度ワームホールを用意して落ちるのであればもう1つ分身が出来上がりますよ。
Q:まずブラックホールに落ちる。次にワームホールをつなげて平行世界にいく。さらにもう1つくぐってもとの世界に移動。するとブラックホールにとらわれている自分がいるのでそれがホーキング放射で吹き飛ばされるのをみる、で合っている?
ホーキング放射を当てにせず、適当に爆弾とかで殺しても問題無いですよ。
【BTTP的理解】
※以下はタコス氏の解答に対する私の解釈。ほかにもさまざまな捉え方、意見がある。間違いの指摘や意見はこちらへ。
①宇宙飛行士Aが予めブラックホールの事象の地平面の中にワームホールをつないでおき、ブラックホールの中に入る。
②ブラックホールの情報パラドックスにより事象の地平面に張り付いたAと、特異点に落ちていくA'ができる。
③A'は何もしないと特異点に向かって落ちていくが、
④ここで事前に作ったワームホールを通って、⑤並行世界に逃げる。
※このときブラックホールの事象後平面内はとても重力が強いので時間が遅れる。
逃げた先の並行世界は未来へのタイムトラベルになる。
⑥そして再びワームホールを通ってもとの世界に戻り、⑦事象の平面に張り付いているAを殺す。
このとき元の世界(ブラックホール内)は時間の進みが遅いので、過去のへのタイムトラベルになる。
多世界解釈でタイムパラドックスを起こすために無理やりブラックホールの情報パラドックスという別のパラドックスをぶつけたわけだが、タコス氏によると、タコシエル効果を考慮した場合、殺したのは新たに出来た世界時間のAなので、パラドックスにはならないという。