●「超弦理論の10次元とは何だ?(ゆんゆん登場!)」

2016/8/26

 

 

タイムトラベルやタイムリープと非常に関わりが深く、このサイトでも「時間とは-ホログラフィー原理(2)」「もっともお手軽な過去を変える方法(2)で紹介した超弦理論を今回のテーマとした。

 

超弦理論はこの宇宙の根源的な物質は「(粒子/0次元)」ではなく「ひも(線/1次元)」だと考え、宇宙誕生のメカニズムパラレルワールドが存在する可能性を示唆する難解だが非常に興味深い理論だ。

 

超弦理論については「10次元をイラストにしてみた」(超弦理論も徹底解説)で詳しく説明しているので、そちらを参照いただくことにして、今回はこの超弦理論で私が一番疑問に思っていることを考察をしていきたい。

おそらくこの理論を少し知っている方なら、同じ疑問を持った方は多いのではないか?

 

 

さてその疑問だが、超弦理論では、この宇宙は実は10次元であり、我々が住んでいる4次元(空間3次元+時間1次元)以外の6次元はコンパクトに小さくまるまっているという。

 

じゃあ6次元は具体的には何なんだ?

 

実は物理学者は数学的手法で10次元を導き出すことには熱心だが、我々が住む4次元以外の6次元が具体的に何をさしていて、どこにあるかを研究している人は少ないそうだ。

 

ちなみに10次元である理由は、ブライアン・グリーン博士「隠れていた宇宙」でわかりやすく説明しているが、量子力学と矛盾しない次元数がそうだかららしい。

 

具体的にはこの10という数字(D-10)×(問題点)という方程式から導き出される。

Dは次元を示している。つまり10次元ならば引くと0になるのでうまく(問題点)が消し去られるというのだ。

 

次に、もともと10次元だった我々の宇宙が、どうして4次元方向だけが発展したのか調べていると、2011年12月22日のマイナビニュースで次のような記事を見つけた。

 

高エネルギー加速器研究機構(KEK)ら、超弦理論を活用して10次元宇宙から3次元宇宙が誕生する仕組みを解明

 

宇宙の始まりビッグバンに向かって過去へ遡ると、確かに(時間1次元を除く)空間は9次元的に広がっていたが、あるときを境に3次元方向だけが急速に大きくなったことが示されたそうだ。

この結果により、超弦理論の予測する9次元空間から、実際に我々の住む3次元空間が出現することが世界で初めて解明されたらしい。

 

だがなぜ、あるときを境に3次元方向だけが拡張されていったのか?この記事ではその理由までは解説されていない。

 

ここからは例のごとく独自の理論で考察していくので、ご了承を。

 

 

まず前回「時間って何だ?(相対論的スポットライト理論)」のスコウ博士が暗示し、「時間はどこで生まれるのか」の著者、橋元氏が主張している「観測者の意思が時間の矢をつくった」という仮説に戻る。

 

もともと相対論的には過去から未来という一方向の流れはない。スコウ博士のスポットライト理論でも、過去・現在・未来は同時に存在すると主張している。

 

橋元氏によれば、エントロピー増大の法則によってこの宇宙のあらゆるものは秩序ある状態から無秩序に向かうのが普通だ。

しかし生命活動に目を向けると、生物は他者を捕食して自身の栄養としたり外敵から逃れたりと自己の生命を保っていこうと行動する

これは死を避けて生を維持していくという「秩序⇒無秩序」の方向とは逆の行為であり、(やがてすべての生物は死を迎え無秩序化するものの)この「生きていこうとする強い意思」こそが、過去の干渉に対して⇒現在の意思を決定⇒未来へ反応・行動していく、という秩序を生み出す

エントロピー増大の法則に逆らって、この秩序を生み出そうとする意思から生まれた反転不可能な方向が「時間」だという仮説。

 

ちなみに「時間の矢」についてはCP対称性の破れから生じたと「時間とは-時間の矢」では説明しているが、仮説の一つにすぎない。新たな考え方の一つとして、あらためてこの仮説を提示したい。

 

 

さて、上で紹介したマイナビの記事のグラフをみると、急激に3次元方向だけが拡張されていくポイントがある。

 

グラフの結果と橋元氏の主張を合わせると、複数の観測者(生物)の意思が選択をはじめたことによって、時間の矢が生み出され、そのときから3次元方向だけが拡張されていったとは考えられないだろうか?(観測者とはいわゆる我々のような意思をもった人間だけでなく、相互作用する意思をもった存在すべてと定義する)。

 

超弦理論によれば、我々の住む3次元空間は時間を除く9次元に浮かぶD-ブレーンとよばれる膜らしい。D-ブレーンはバルクと呼ぶ空間に漂っている。

 

次元と次元は直交する(直角に交わる)という原則があるので、意思を持った観測者が選択して進んでいくスペースをスコウ博士の呼ぶワールドチューブだとすると、ワールドチューブには観測者が選択しなかったスペースがいくつも直交して存在しているはずだ。

 

すると次の図1のように表現することができるだろう。

図1イメージ
図1

 

まんなかの円がワールドチューブを輪切りにしたもの=観測者の意思が選択したスペース(SELF SELECTED SPACE/WORLD TUBE)であり、その周囲にのびている数々の線は、観測者の意思が選択しなかったスペース(NON SELECTED SPACE)である。これらはD-ブレーン(D-BRANE)上に存在し、それぞれが直交している

 

それぞれのスペースは実際は3次元空間だが、すべてを3次元で図式化すると非常に複雑になるので、「ワールドチューブ」のみ3次元化し、「選択しなかったスペース」は「D-ブレーン」にあわせて2次元の膜で表現すると、次の図2のようになる。

※選択しなかったスペースは両側に2枚ずつしか描いていないが、実際は無数に存在する。

図2イメージ
図2

 

図2のすべてのスペースを足すと、観測者の意思が選択したスペース/ワールドチューブ(3次元)+選択しなかったスペース(3次元)+D-ブレーン(3次元)+時間(1次元)で合計10次元となる。

 

 

つまり今回のテーマの疑問、「小さくまるまった6次元とは何だ?」に対する答えは、「選択したスペース」と「選択しなかったスペース」であり、「どこにあるか?」の答えは、われわれの住む3次元(D-ブレーン)と直角にまじわる場所だ。

 

それはすぐそばにある可能性だってあるが、現在の光学的な観測方法では決して見ることのできない空間だ(逆に観測できてしまうと、選択という行為に影響を及ぼし、思いもつかない不具合が生じかねないので、観測できない仕組みになっているのかもしれない)。

 

さて観測者はあまたいるのでワールドチューブもあまたあり、それを表現したのが図3だ。

図3イメージ
図3

 

図3を2つにたたみ、D-ブレーンを表紙ワールドチューブを背表紙として、選択しなかったスペースをページに見立てると次の図4のような1冊の本ができあがる。

図4イメージ
図4

 

「梯子」の物語を読んだ方はご存知だろうが、梯子が謎の言葉を残してスレから消えたあとに「ゆんゆん」という人類を超越したかのような発言をする人物が登場する。

 

その人物は我々の宇宙を「バイブル」と称し、停点理論に基づき、われわれが選択していく時空を「本流」「ページ」と呼ぶ。

 

偶然にも図4ゆんゆんの例えた表現はよく似ている。

 

もともと私がこのサイトを立ち上げたきっかけは、「時空のおっさん」「梯子の物語」を理論的に説明する方法はないか?という興味からだった。

 

こじつけやトンデモ理論だと言われても仕方がないが、「ゆんゆん」の発言にまでつながったのは個人的にとても興味深い。

 

ゆんゆんは人類を超越した存在ではなく、先進的な考えをもつ物理学者、あるいは哲学者なのかもしれない。