2018/8/30
今回の記事は普段物理に関心のない人でも興味をもってもらえるよう、やわらかいスピリチュアルなタイトルを付けてみたが、宇宙人や天使や守護霊は出てこない(5次元人は出てくるが・・・)。
さて、このサイトはタイムトラベルをメインテーマに、2年以上考察を続けている。
今回はその集大成として「時間」や「宇宙」の仕組み、われわれの「運命」はどうやって決まるのか、そして「過去が変わる可能性」を3回シリーズでまとめていくつもりだ。
でも途中まで読んだだけでは「タイトルに偽りあり」と非難されるかもしれない。
ぜひ最後までお付き合いください。
1回目は「時間」について、先鋭的な物理や哲学の理論から考えた2年間のまとめを紹介する。
それではさっそく「時間」に関して一般の方がいだいているイメージから崩していこう。
時間は流れるものである。
あたりまえだ。
でもその感覚はもしかしたら人間だけがもっている幻想、人間が創造したただの概念なのかもしれない。
物理的に言えば「時間」とは「ものごとが変化していく様子」または「その変化を測る単位」だ。
われわれは縦・横・奥行きという3つの方向の空間「3次元空間」に生きている。
20世紀の偉大な科学者アインシュタインは相対性理論で「時間」を「4つ目の空間」とみなして「4次元時空」というアイデアを提案した。
相対性理論では時間も空間と同じように扱うこうとができ、驚くことに「空間」も「時間」も延びたり縮んだりする。
さて、ここに1個のりんごがある。
われわれ4次元時空で生きている「4次元人」の他に、われわれの次元の外の5つ目の空間「5次元時空」で生まれた「5次元人」がいたとしよう。
5次元人はわれわれが決して見ることのできない「時間」を「空間的」に見ることができる。
次のイラストは、われわれ4次元人がりんごを見たイメージと、5次元人がりんごを見たイメージを比べた図だ。
5次元人はりんごが存在する時間まで空間的にとらえるので、りんごが胴長で伸びたように見えてしまう(りんごはずっと同じ場所にあるとする)。
それでは5次元人がわれわれ4次元人を見たら、どのように見えるだろう?
時間を横軸にとると、生まれたばかりの赤ちゃんから成長して大人になり、年老いて死んでいくまでの一生を、5次元人は一度に見渡すことができる。
さらに上の図に縦軸の空間を加えれば、次のように見えるはずだ。
生まれたばかりの赤ちゃんは家の中でほとんど動かないが、少し大きくなると外へ遊びに行くようになり、進学すると行動範囲が広がり、大人になるとさらにいろいろなところへ飛びまわり、年をとって老いると次第に行動範囲は狭くなっていく。
さて、今度はスケールをぐんと広げてわれわれの住む宇宙を5次元人が見たらどんな風に見えるだろうか?
量子ゆらぎからインフレーションによって空間が急速膨張し、ビッグバンが起こって銀河や星々が誕生していく138億年の歴史を、5次元人なら過去・現在・未来まで一度に見渡すことができるだろう。
※もっと知りたい方はマサチューセッツ工科大学の物理学教授マックス・テグマークの著書「数学的な宇宙 究極の実在の姿を求めて」 で詳しく解説されている。
つまり5次元人にとっては「時間」は「流れるもの」でも「変化するもの」でもなく、「ただそこにある空間」なのだ。
なかなかわれわれ4次元人にはイメージできないかもしれないが、いつも見ている3次元の空間と同じものだと感じてもらえればいい。
もう1つ、今度は先鋭的な哲学から時間に関するおもしろい理論をご紹介しよう。
過去・現在・未来は同時に存在し、スポットライトの照らす現在がその空間を移動していくという「スポットライト理論」だ。
マサチューセッツ工科大学の哲学教授ブラッドフォード・スコウ博士が提唱している理論で、時間は流れているのではなく、過去・現在・未来は同じステージ上に広がっており、そこにスポットライトが当たり、過去から現在へ、現在から未来へ・・・とスポットライトの移動してく様が、時間が経過しているように見えるという。
ある出来事が過去になるという現象は間違いであり、過去・現在・未来は同時に存在し、子供のあなた、大人のあなた、年老いたあなたもすべて同時に存在している。
※詳しくは「時間って何だ?(相対論的スポットライト理論)」をご覧ください。
おそらくみなさんがいままでに感じていた「時間感」とはまったく異なるだろう。
次回は、いっきにスケールを小さくして、ミクロの世界から考えてみたい。