●「リモート・ビューイングで過去を見る方法(2)」(魂はあるのか? ないのか?)

2017/5/26

 

リモートビューイング・イメージ

前回の続き。

 

今回はいよいよ、CIAも研究していたという時間と空間を越えてターゲットを観測することのできる「リモート・ビューイング」の原理を考察していく。

 

まずあらためて、「リモート・ビューイング」とはどんなものかをwikiなどで調べてみた。

 

●Remote viewing(英語wikiより)

 

リモート・ビューイング (略称RV)は遠隔透視とも呼ばれ、 超感覚(ESP)または精神感応によって、はるか遠くの、あるいは見えないターゲットを観察する方法である。

被験者は一般的に、瞑想あるいは催眠状態でリモート・ビューイングをおこなう。

 

RV実験の歴史を振り返ると、「適切な管理下で実験されてない」との指摘や「再現性がない」との批判を受けてきた。

「リモート・ビューイング」が存在するという信憑性のある証拠はなく、遠隔透視の話題は一般的に疑似科学とみなされている。

 

 

・・・ということで現在では、リモート・ビューイングは超能力の一種=疑似科学、いわゆる「オカルト」と考えられている。

 

しかし一方で、前回ご紹介したように、「スターゲイト計画」という名称でCIAがまじめに研究していたという資料も残っている。

1975年から1995年までの20年間、アメリカ政府がスポンサーとなって2000万ドルも投じて続けられたのだから、何らかの根拠はあったのだろう。

 

CIAが機密解除したライブラリを探すと、

 

●リモート・ビューイングの間に光子を生成する実験(1985年~1987年)

CIA libraryより

 

という資料を見つけた。

 

内容は、中国で1984年に報告された「リモート・ビューイング中の対象物に光が照射される」という現象の追試実験のようだ。

 

最新鋭の光子計測器を使ってリモート・ビューイング中の対象物を計測し、4人のビューワー(被験者)のうち3人の実験中に、奇妙なシグナルが計測されたという。

 

他にもCIAの資料を探してみたが、残念ながら「リモート・ビューイング」に関する具体的な手法や理論の詳細は発見できず、1995年にスターゲイト計画を終了するにあたって報告書は「実験の信憑性が不確かで、催眠状態の被験者の主観的妄想」と結論付けている。

 

ただしリモート・ビューイングとは異なるが、「催眠状態によく似た瞑想法で、この世界とは異なるパラレルワールドを垣間見ることが可能だ」とする記事が、最近トカナに掲載された。

 

●【量子論】パラレルワールドに行ける瞑想法「クォンタム・ジャンプ」とは? “別の選択”をした自分と出会おう!

2017/3/9 トカナより

 

「もっともお手軽な過去を変える方法(1)」および「もっともお手軽な過去を変える方法(2)」でも紹介している、日系アメリカ人の理論物理学者ミチオ・カク博士によると、はじめて体験した出来事なのに以前どこかで見たことがあると感じる「デジャブ(既視感覚)」は、パラレルワールドを垣間見たのかもしれないという。

 

またトカナの記事では、「並行記憶(1)」で紹介した、それまで疑問の余地なく思い込んでいた記憶が実はまったくの誤りだったという現象「マンデラ・エフェクト(マンデラ効果)」は、パラレルワールド同士がお互いに干渉して引き起こされたものだとしている。

 

そして御年90歳(!)を迎えるアメリカの瞑想家が生み出した瞑想法を使って、別の選択をした自分を経験することができるという「クォンタム・ジャンプ」を紹介している。

 

「クォンタムジャンプ」とは、瞑想家バート・ゴールドマン氏の50年にも及ぶ研究によって生み出されたもので、瞑想によって一種の「精神的テレポーテーション」が起こり、夢を見ているかのような状態でパラレルワールドへと旅をすることができるそうだ。

 

トカナには「クォンタムジャンプ」の動画が掲載されているが、例のごとく具体的な手段は説明されていなかったので、バート・ゴールドマン氏のサイトを直接検索してみた。

 

●Quantum Jumping by Burt Goldman

 

う~む、会員登録が必要でクォンタムジャンプの手段を学ぶにはお金が必要らしい・・・。

 

2062未来人の例よろしくお金のにおいがするのは苦手なので、これ以上探るのはやめた。

 

いき詰まってしまったが、他に可能性はないかと考えて「クォンタムジャンプ」という名称から以前「過去を見るタイムマシンの作り方(3)」で考察した「クォンタム・アクセス」を思い出し、「量子(クォンタム)もつれ」に何らかの関係があるのではと仮定してみた。

 

アメリカの物理学者レオナルド・サスキンド博士やオランダの物理学者ヘーラルト・トホーフト博士らが提唱する「ホログラフィー原理」では、ブラックホールだけでなくこの宇宙全体が、はるかかなたにある事象の地平面に描かれた2次元の情報の投影にすぎない可能性が示唆されている。

ホログラフィー宇宙イメージ
ホログラフィー宇宙イメージ

 

つまり「リモート・ビューイング」や「クォンタムジャンプ」は、(具体的な手段はわからないが)量子もつれを利用して、われわれの「意識」が、われわれの住む3次元宇宙の情報が蓄積された2次元の事象の地平面を観測することで、過去や未来を知る方法ではないか?

 

ここでふと気づいてしまった。

 

前回の過去の火星を観察した事例に代表されるように、「リモート・ビューイング」は、身体ごと移動するのではなく、「意識」を飛ばして時間と空間を越えて対象を観察する方法である。

 

つまり「身体」と「意識」を切り離せることが前提になっている。

 

ということは、「意識」あるいはわれわれの「心」と、「身体」は別々の実体である(それだけで独立して存在できる)というデカルトに代表される心身二元論が成り立たなければならない。

 

しかし心身二元論は(wikiにもあるように)脳科学が発展した現在では、それを支持する専門家は少数派だ。

 

でも、まだあきらめない。

 

われわれの「意識」や「心」については「人の自我とは?」で一度考察しているが、慶応大学の前野隆司教授が提唱する受動意識仮説に従って、われわれの意識を、自己を認識している「自我」と自動的に環境と経験に応じて反応する「無意識」に分け、今回はさらにその下に「魂」という階層を仮定してみた。

心の階層図
心の階層図

 

現在の脳科学では、前頭葉が思考や意思決定を、頭頂葉が痛みなどの感覚や知覚を、側頭葉が聴覚や記憶を・・・というように、脳のどの部位がどんな働きを制御しているのかがほぼわかっている。

 

アメリカの精神科医ジュリオ・トノーニ教授が提唱する「意識の統合情報理論」では、脳の各部位から集められた感覚、感情、記憶などのそれぞれの情報がネットワーク化されて複雑に絡み合い、1つに統合してはじめて意識(自我)が生まれるという。

 

つまり「自我」はわれわれの心の中で、一番上(表層)にある階層だ。

 

その下には、熱いものを触ったときにとっさに筋肉を収縮させたり、心臓を休むことなく動かしてくれる「無意識」が、われわれの身体をコントロールしている。

  

そしてこの「自我」と「無意識」の階層までは、現在かなりの部分が解明されている。

  

しかしだ。今回は最下層(最深部)に「魂」を設定した。

 

前野教授やトノーニ教授の説を考察するとやはり、心身二元論ではなく「脳が心をつくっている(心は脳という存在なしには存在できない)」という心身一元論が正しいのではないかと思えてくるが、次のような主張をする医者や科学者もいる。

 

 

●東大病院救急部長が語る「死後の世界」~人間は必ず死ぬ。しかし… 数多の最期を見てきた医師の結論

2013/8/25 現代ビジネスより

 

東京大学医学部附属病院部長兼、同大学院医学部教授の矢作直樹医師は、「最先端の医療現場で起きる不可解な現象」・・・例えば死にそうな人が奇跡的に回復したり、いつ死んでおかしくないほど臓器がひどい状態なのに何日も生き続けている人がいるという現象を、実際の医療現場で何度も経験した。

そのうち「人間の生死にはわれわれの理解を超える『何か』が働いているのではないか?」→「寿命が来れば肉体は朽ち果てるが、霊魂は生き続ける。その意味で、人は死なない」という考えに至ったという。

 

つまり東大医学部の教授が「魂」の存在を信じている。

 

さらに、

  

●【ガチ科学】「死後の世界」が存在することが量子論で判明! 米有名科学者「脳は意識の受け皿にすぎない」

2017/1/17 トカナより

 

で紹介されている、アメリカの再生医療を専門とするアステラス研究所責任者であり、ウェイクフォレスト大学の助教授でもあるロバート・ランザ博士は、「意識は肉体的な死とは別物である上、脳が意識を生み出しているわけではない」と考え、死後の世界を主張している。

 

ランザ博士はその根拠として、量子力学の有名な2重スリット実験を例に説明する。

電子は「粒子」と「波」という2種類の性質をもっているが、その運命を決めるのは観察行為である。

観察するという「意識的な行為」が量子レベルでは大きな影響力をもっており「意識は物質よりも根源的で、物質は意識の派生物に過ぎない」という。

 

この論理に従うと、脳(物質)が意識を生み出しているのではなく、発生の順番が意識→脳であるため、脳が死んでも意識は存在し、意識だけの死後の世界が認められるという。

 

ちなみにランザ博士は米「タイム」誌の「世界で最も影響力がある100人(2014年度)」に選ばれた人物である。

 

 

権威ある2人の人物の発言は「魂」の存在の可能性を明るくするが、このサイトのポリシーは「リモート・ビューイング」のようなオカルトでも、まずそれを「本当ならば」と仮定し、なるべく論理的にその仕組みや原理を考察することである。

 

ランザ博士は量子力学の現象を使って説明してくれているが、個人的にはどこか腑に落ちない。

 

「権威ある医者や科学者が発言しているのだから正しいのだ。だから魂はあるのだ」というのは簡単だが、それこそポリシーにあわない。

 

次回は、今回も登場した前野教授のITmediaNEWSに掲載された記事「意識は機械で再現できる」から「魂」の可能性を探っていきたい。

 

このタイトルだけみると、「魂」の可能性が消えてしまいそうだが・・・