●「前世の記憶や生まれ変わりは存在する」(魂や記憶は時空を超える?)

2019/5/24

 

前世・生まれ変わりのイメージ

今回の記事は5/22に「不思議.net」に掲載いただいた原稿を加筆・修正したものです。

不思議.netの記事はこちらから。

 

 

「前世」や「生まれ変わり」という現象は存在する。

 

不思議.netに掲載された興味深い記事、

 

●息子(3歳)が前世の話をしてきたんだが【追記あり→真相追求編】

2019/5/12  不思議.netより

 

10連休ゴールデンウィークの最終日(5月6日)の出来事。

 

夕方、3歳になる息子が家の中で急にいなくなり、両親があわてて探したところ、風呂場で空のバスタブに膝を抱えて座りこんでいるの見つけた。

「南無阿弥陀」という念仏のような言葉を繰り返しつぶやいていたという。

 

投稿者は父親(以下スレ主と呼ぶ)で、息子を抱えてリビングにつれていった。

母親と二人で話しかけたところ、息子は普段とは違う大人みたいな口調で驚くべき話を語った。

 

自分の名前は「シュウサク」と言い(苗字も話したが非公開)、1960年生まれで岩手県のある市に住んでいた。

 

息子(シュウサク氏)の語った話をまとめると、 

 

●両親と祖母、シュウサク氏の4人で岩手県〇〇市の一軒家に中学生まで住んでいた。通っていた学校は覚えているが友人のことはあまり思い出せない。 

 

●高校進学で実家を出る。そのころ祖母が亡くなる。高校2年生から28歳までの記憶が思い出せない。30歳にはなっていたはずだ。

 

●「なぜ(バスタブで)南無阿弥陀と唱えていたのか?」とたずねると、「唱えていない」との返事。リビングにいた時点からしか意識がない。

 

●「天国とか地獄といった場所はあるのですか?」という母親の質問に「え・・・」とつぶやき頭をぐらつかせ、そのまま床に倒れた。目覚めたときには普段の息子に戻っていた。

 

息子がシュウサク氏になっていた時間は約40分間。その様子をスマホに動画で撮影して記録が残っている。

 

翌日母親が息子を脳神経外科に連れていき診察してもらったが、特に異常はなくCTを撮ることもなく帰宅した。

 

 

この話が興味深いのはここからで、その週の土曜日(5月11日)、実際にスレ主たちは息子を連れて岩手県の○○市をたずねた。

シュウサク氏の語った情報を元に商店などで聞き込みしたところ、なんとシュウサク氏の生前住んでいた家が見つかり、健在だった彼の両親から彼に関する情報が聞けた。

 

撮影した動画をシュウサク氏の両親に見せると、驚くべきことに彼の語った内容は家族構成から生い立ちにいたるまで正確だったという。

 

詳しくはぜひこちらの記事をご覧いただきたい。

 

 

この記事に関してさまざまな反応のコメントが寄せられており、その数は700件を超えている(2019年5月21日時点)。

 

「息子がシュウサクさんになっていたときに撮影した動画」が公開されれば決定的な証拠になるが、3歳のお子さんのプライバシーや将来への影響を考えると、非公開のままの方がよいだろう。

それを理由にこの話を創作だと言う人もいるが、大半は肯定的な意見だ。

 

 

私もこの話はとてもリアリティがあり、真実性が高いと思う。

そもそも私は「不思議な出来事を、それが真実ならどのような仕組みで起こったのか?」に興味があるので、いつも通りのスタンスで考察していく。

 

 

まず今回のケースから推測される事実を確かめておこう。

 

●3歳の息子が30年近く前(1990年ごろ)に亡くなった人物の人生(記憶)を語った。その内容は後で確認したところ、名前から家族構成までかなり正確だった。

 

●シュウサク氏の住んでいた町とスレ主の住んでいる町は同じ岩手県だが、車で1時間ほどの距離にある。

 

●亡くなった人物(シュウサク氏)と3歳の息子に遺伝的なつながりはない。

 

●スレ主の家族とシュウサク氏の家族は今回の件をきっかけにはじめて出会い、今までに接点はなかった。

 

●生前のシュウサク氏は一般的な青年で(有名人ではない)、何かの事件に巻き込まれて亡くなったわけでもなく(両親によると死因は心筋梗塞)、SNSが発達する前なので、テレビや新聞やネットからシュウサク氏に関する情報を入手できたとは考えられない。

 

 

以上から、3歳の息子がシュウサク氏の情報を事前に知りえた可能性は皆無で、今回のケースは30年前に亡くなった人物の記憶を、接点のない3歳の子供が正確に話したという事実である。

 

 

スレ主は息子に起こった現象を「前世」の記憶を語ったもの、息子はシュウサク氏の「生まれ変わり」ではないかと考えている。

 

「生まれ変わり」についてはアメリカのヴァージニア大学の精神科医イアン・スティーヴンソン博士(wikiより)の研究が有名だ。

1960年代から東南アジアを中心に2歳から5歳までの前世の記憶を語る子供とその関係者を面接調査し、2300例の事例を集めた。

 

スティーヴンソン博士が2007年に亡くなってからは、同大学の児童精神科医ジム・タッカー博士(wikiより)がその研究を引き継いでいる。

 

タッカー博士によると、子供たちが「前世」について語るのは2歳から5歳までが多く、遅くとも8歳までには話さなくなるそうだ。

 

語られる内容は「前世」の人物が死亡した時の情景や死亡してから生まれ変わるまでの様子が多い。

 

「生まれ変わる」までの期間は、死後すぐから数十年後までと幅広く、亡くなった原因は突然の死であることが多い。中には誰かに殺されたというケースもある。

逆に自殺であることは少く、さらに前世が動物だった記憶をもつケースは報告されていない。

 

 

「なぜ前世を語る子供がいるのか?」を説明する仮説がいくつかあるが、スティーヴンソン博士やタッカー博士は、前世を語った子供が亡くなった人物の「生まれ変わり」という仮説が、「幕間記憶」(生まれ変わるまでのあの世の記憶)を語ったり、生前のアザや身体的欠損を子供たちが受け継ぐ理由になるとして支持している。

 

今回のケースも「生まれ変わり」の可能性が高いが、この説が正しいとするならば、肉体が滅んでもわれわれ個人の魂や記憶がずっと存在できる理由を説明しなければならない。

 

シュウサク氏の「魂」あるいは「生前の記憶」がどこに保存され、3歳の息子がなぜ突然それを語ったのか、その糸口を探ってみよう。

 

 

まず魂であれ、記憶であれ、それが脳以外のどこかに保存されている可能性はあるのか?

 

このサイトでも「意識」が脳のどこで生まれるのかを考察している。

 

●"あなた"という意識はどこで生まれる?

 

●意識を生み出す2つの理論「GNW」と「統合情報理論」

 

脳の特定の領域の活動が「あなた」の動作を決定しており、「われわれには自由意志などない」と考える科学者も多い。

 

しかしfMRIなどの技術の進歩により、最新の研究では「意識」は脳の前頭葉や後頭葉などの特定の領域ではなく、大脳全体のネットワークによって生み出されている可能性が高いことがわかってきた。

 

ウィスコンシン大学マディソン校のジュリオ・トノーニ博士などが提唱する「統合情報理論」では、「わたし」という主観的な意識は、その意識が体験する情報が統合されることによって生まれるという。

  

しかし統合情報理論が正しくても、われわれが死を迎え、脳が滅んでも意識が残り続ける理由にはならない。

  

 

ところが今回のシュウサク氏の事例では、その人の意識や記憶がどこかに保存されている可能性を示している。

 

例えば記憶には脳が感覚器官から受け取った刺激を数十秒から数十分という短かい時間記憶する「短期記憶」と、個人の体験やエピソード、言葉の意味・知識を年単位で記憶する「長期記憶」の2種類ある。

 

仮に脳の海馬が「短期記憶」を保存するPCのメモリのような保存場所、側頭葉が「長期記憶」を保存するハードディスクのような場所だとして、ハードディスクのデータをクラウド上にバックアップするように、あるタイミングで脳以外の場所に信号を送って保存されるとしたらどうだろう?

 

 

それはどんなタイミングで行われるか?

 

もしかしたらわれわれの睡眠中かもしれない。

 

睡眠は身体を休めたり、脳の休息に必要と言われているが、睡眠中も脳は活発に活動している。

最近筑波大学の研究から、「眠気」の解明につながる脳内のある変化が明らかになった。

 

●「眠気」の化学的な実体に迫る~睡眠要求を規定するリン酸化蛋白質群の同定~ 

2018/6/14 筑波大学より

 

筑波大学の研究グループは、眠気の正体が脳内にある80種類のタンパク質の「リン酸化」と呼ばれる化学変化であることをつきとめた。

 

これらのタンパク質は目覚めているときには「リン酸化」が進み、眠ると元に戻る。この現象が神経細胞の疲弊と回復に関わっているらしく、しかもそのタンパク質の多くが記憶に関するものだった。

睡眠は重要な記憶とそうでない記憶を整理し、強化している。

 

リン酸化の解消される睡眠中が、われわれの記憶がどこかに保存されるタイミングではないか?

 

 

次に保存される場所について考えてみよう。

 

「生まれ変わり」という現象にこだわれば、その場所は「あの世」になりそうだ。

 

しかし「あの世」は通常(生きている状態)ではアクセスできない。

「あの世」と脳が睡眠中に通信しているのなら、その具体的な方法を示す必要がある。

 

「あの世」にわれわれがアクセスできないのは、「あの世」がわれわれのいる3次元空間以外の「異なる次元」にあるからではないか?

 

 

われわれが普段情報の送信に使っているのは電磁波だ。

 

電磁波はこの世に存在する4つの力の中でもっとも日常的な「電磁気力」だが、「電磁気力」ではこの次元から抜け出すことはできない。

 

4つの力とは「電磁気力」の他に「強い力(原子核を結びつける力)」、「弱い力(原子核を他の原子に変える力)」、「重力」だ。

 

このうち「電磁気力」・「強い力」・「弱い力」の3つについては統一する研究が進められているが、「重力」はまだ統一できていない。

 

「量子力学」の支配するミクロの世界では、2つの粒子同士の距離を近づけていくと、近づければ近づくほど重力が無限大に大きくなり、最終的に計算不能になるからだ。

 

重力を統一することができれば「万物の理論」という究極の理論が完成するが、その候補とされているのが、物質の最小単位を粒子のような点ではなく、1本の「弦(ひも)」としてとらえる「超弦理論」だ。

 

「超弦理論」の弦(ひも)には「閉じたひも」「開いたひも」の2種類あり、4つの力のうち、「開いたひも」は電磁力・強い力・弱い力に、「閉じたひも」は重力に相当する。  

「閉じたひも」は次元の間を自由に移動できるが、「開いたひも」はブレーンという膜に両端がくっついていて離れることができない。

 

つまり重力だけが他の力と違って次元を自由に移動できるのだ。

 

超弦理論の解説図
超弦理論の解説図

 

眠気に関する「リン酸化」は化学変化で、化学変化は電磁気力の一種だ。

 

電磁気力では次元を超えることができないので、異なる次元にアクセスしようとするなら重力を使うしかない。

 

つまりリン酸化が解消される際に重力の波=「重力波」が発生すると考えれば、異なる次元にアクセスして意識や記憶をバックアップできそうだ。

 

 

それではバックアップ先はどこなのか?

 

プリンストン高等研究所のマルダセナ博士は、超弦理論の中の1つを4次元のAdS(茶碗の内側のように負の曲率をもった空間)で考えると、その境界の3次元におけるCFT(重力を含まない場の量子論)として計算できるAdS/CFT対応を考案した。

 

「ホログラフィー原理」は、AdS/CFT対応を発展させて、われわれの住んでいる3次元空間は幻想で、そのはるか彼方の2次元のスクリーンに投影された情報こそが本質ととらえる考え方だ。

 

ホログラフィー原理
ホログラフィー原理

※超弦理論やホログラフィー原理の詳しい解説はこちら

●文系でもわかるホーキング博士の最後の論文解説(3)

 

 

宇宙の3次元空間の情報が、その表面の2次元=「ホログラフィー宇宙」にあるのならば、われわれの意識や記憶もそこに蓄えられると考えるのが自然だ。

 

つまり脳は睡眠中に重力波を使ってホログラフィー宇宙に意識や記憶をバックアップしている。

脳がホログラフィー宇宙にアクセス

しかし3歳の息子が30年前に亡くなった人物を名乗った今回のケースでは、この逆のプロセスが働いたとみられる。

 

2歳から5歳までの子供の脳はまだ完成されておらず、通常はフィルターされているはずの他人の魂や記憶を誤って読み取ってしまったのではないか?

 

前世の記憶をもつ子供たちが8歳ごろまでに語らなくなるのは、「幼児期健忘」と言って幼児期の脳が成長や言語の発達にともない新しい脳に侵食されて消えてしまうからだと考えられている。

 

誰でも幼児の頃は異次元が見えていた。しかし成長するにつれて脳にフィルターがかけられていくのかもしれない。

 

●「並行記憶(3)(四次元を見つけてしまったYO!)」

 

 

 

最後にこの仮説が証明される可能性を示しておこう。

 

重力電磁気力に比べてとても微小な力だ。

 

アインシュタインが一般相対性理論によって重力波の存在を予言してから100年後、2016年になってやっとアメリカのLIGOによって観測された。

そのときの重力波は2つの巨大なブラックホールが衝突した際に発生したものだと考えられている。

 

脳がタンパク質のリン酸化を解消する睡眠中に重力波を発生させていたとしても、ブラックホールよりもずっとずっと弱いはずで、そんな微弱な重力波を特定できる観測装置を人類はまだ手にしていない。

 

 脳が発する重力波を検出するためにはアメリカのLIGOや日本のKAGRAといった現在主力の干渉型とはまったく違う観測方法を考えなければならいない。

 

そのためにはまだ統一できていない重力と電磁気力・弱い力・強い力の4つの力を統一する「万物の理論」が必要だ。

 

「万物の理論」が完成するとき、「前世の記憶」「生まれ変わり」「あの世」の仕組みが一気に解明されるかもしれない。

 

 

【ここから追記】

 なお、ちょっとおもしろい可能性がある。

 

「体外離脱」というのをご存知だろうか?

 

自分の魂が肉体から外に抜け出してしまうような感覚、または肉体から抜け出して自分の身体を外側から見ているような体験である。

 

明治大学情報コミュニケーション学部の石川幹人教授によると、1970年代に体外離脱中の人間の姿を観測する実験が行われた。

被験者に体外離脱をして離れた部屋に訪れてもらうようにお願いし、その部屋に「人間」と「子ネコ」と「電磁波測定器」を置いた。

 

実験の結果、人間は何も見ることができなかった。電磁波測定器も反応しなかった。

しかし子ネコだけは、体外離脱をしている間のみ、有意に大人しくなったという。

 

●体脱体験と臨死体験

明治大学メタ超心理学研究室超心理学講座より

 

この実験のソースを調べたところ、超常現象の科学的研究を行っている財団の記事を見つけた。

 

●モリスとハリーの体外離脱に関する実験

International Metapsychic Institute(IMI)より

 

ハリーという被験者が体外離脱をして500m離れた実験室に移動した。実験室の中には子ネコがいて、ハリーが体外離脱で訪れていたという時間のみ大人しかった。

 

ハムスターやネズミ、ヘビなどのほかの生物でも試したが、子ネコのような行動変化は見られなかった。

 

実験したモリスによれば、ハリーと子ネコの間で信頼関係が築かれたからではないかという。

 

もしかしたらネコは異なる次元の魂を見ることができるのかもしれない。

 

異次元を見る猫イメージ

 

脳から発する重力波の観測に、ネコを使うのはどうだろう?