●時間とは-時間の矢

2016/5/24

 

2つ目の時間、「時間の矢」と呼ぶエントロピー増大の法則に例えられる、秩序的な状態から無秩序な状態への変化、時間の不可逆性である。前出のスポットライト理論では「なぜスポットライトが移動していくのか」を説明していないが、このスポットライトを移動させるものが「時間の矢」と考えた。

 

この「時間の矢」はどこから生まれたのか?

 

cp対称性の破れという問題がある。これは「なぜ、この宇宙はビッグバン後に反物質より、通常の(正の)物資の方が10億分の2ほど多くなったのか?」という疑問だが、その理由として、電荷が0であるニュートリノをあげている。

 

ニュートリノは通常スピンが右まわりであるが、質量があることが発見されたので、速度には限界がある(光速よりは遅い)。仮に光の速さに近い粒子にのって、ニュートリノを追い越して振り返ると左回りのスピン=反ニュートリノに見える。つまり通常の粒子12種類のうち電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノ以外は対生成と対消滅がセットになっているが、この3つのニュートリノに変化する重いニュートリノがあり(この3つがあまりにも他と比べて小さいことから推測される)、これが時と場合により正や負へ変化する。これがcp対称性の破れの原因となっていると考えられている。

 

この正や負へ変化する重いニュートリノよってビッグバン後にcp対称性が破れ、それと同時に生まれた負より正の物質が10億分の2多いという偏り=方向性が「時間の矢」ではないか?

 

もう一つの可能性として、「時空が量子のもつれから形成される仕組みを解明」したとして2015年に発表された東大カブリ研究機構の大栗博司教授らの研究がある。この研究を説明するには量子のもつれからはじまり、ブラックホールとエントロピー、超弦理論、そしてホログラフィー原理を説明しないといけないので、次回に。