2019/8/25
9/17追記(※一番下に情報を追加しました)
夢の中で夢を見てることに気づき、夢をコントロールできる「明晰夢」。
タイムリープするためのきっかけ、手段の1つとして、このサイトでもたびたび紹介している。
●「現時点で一番可能性の高いタイムリープする方法」(2019年度版)
オーストラリア・アデレード大学で科学的に「明晰夢」を研究しているデンホルム・アスピー博士の「明晰夢テクニック」は、私も実際に体験して明晰夢を見ることができ、「現時点で最も効果的な明晰夢を見る方法」だと思っている。
※詳しくは、「明晰夢を見る方法(3)」(明晰夢実験体験記)を参照。
デンホルム・アスピー博士は2017年の秋、ネットを通じて世界中のボランティアに呼びかけ、自身の開発した「明晰夢テクニック」を約2000人の被験者に体験してもらった(私もその1人)。
現在被験者から送られてきたデータを分析中で、来年(2020年)にはその成果を学術雑誌に発表する予定だ。
その過程で興味深い発見があったそうなので、今回はそれをご紹介したい。
8月8日付けのアスピー博士のメールマガジンから。
アスピー博士の「国際的な明晰夢誘発研究(ILDIS)」は、世界中の約2000人の被験者が体験し、今までに実施されたどの明晰夢実験よりも規模が大きく、この分野の今後に多大な影響を与える研究だ。
研究の過程で興味深い発見があり、その1つ、「就寝前に瞑想を行うと明晰夢に効果がある」ことが確認された。
今までにも「マインドフルネス」と「明晰夢」のつながりや「長期瞑想者がより明晰夢を見やすい」という報告があったが、「瞑想」と「明晰夢を見る回数」の相関を科学的に実証した科学者はいなかった。
しかし今回アスピー博士は「国際的な明晰夢誘発研究(ILDIS)」の第1週目と第2週目の実験データから科学的にその結論を導き出した。
※ILDISとは、冒頭で紹介した2017年秋に2000人が参加した「明晰夢を見る方法(3)」の実験。第1週目では被験者に普段のまま眠ってもらい、第2週目では「明晰夢テクニック」を使ってどのような夢を見たかをアンケートした。
●第1週目(明晰夢テクニックを使わない最初の週)では、就寝前に瞑想をせずに明晰夢を見た人は平均5.9%。
就寝前に瞑想した人は、(しなかった人よりも)約50%多い頻度で明晰夢を見た。
次に、
●第2週目(明晰夢テクニックを取り入れた週)では、瞑想せずに明晰夢を見た人は13.8%に向上した。
しかも就寝前に瞑想した人は、(しなかった人に比べて)50%多く明晰夢を見ることができた。
※これらのデータは「カイ二乗検定」(2つのデータの相関を調べる手法)によって分析され、第1週と第2週のどちらの場合も統計的に有意だった(p = <.05)。
●アスピー博士は結論として、「就寝前に瞑想を行うこと」は、「明晰夢テクニック」の有無にかかわらず、明晰夢を見るチャンスを大幅に上げる可能性があると言っている。
ちなみに被験者が瞑想した時間は平均15分弱。最も多い瞑想のタイプはマインドフルネス瞑想だった。
つまり、明晰夢を見るチャンスを増やしたいなら「瞑想」と「明晰夢テクニック」を組み合わせ、寝る前にマインドフルネス瞑想をして就寝し、5時間後にアラームで起きて明晰夢テクニックを行うのがより効果的ということだ。
さらにアスピー博士は8月21日のメールマガジンで、おすすめのマインドフルネス瞑想法も紹介している。
「マインドフルネス」とは、思考ではなく、見たり聞いたり、触れたり嗅いだり味わったりという5感に意識を集中させる方法だ。
就寝する前に行う「マインドフルネス瞑想」とは、寝る前に今日あったことや明日の予定などいろいろ思考をめぐらすのではなく、いまあるそのままの感覚を受け入れて、その状態で眠りに落ちる瞑想法だ。
「照明を暗くし仰向けに寝て、腹式呼吸する」などさまざまな方法が書籍やネットで紹介されているが、アスピー博士が提案するのは「これぞまさにマインドフルネス!」という瞑想法だ。
メールマガジンには「宇宙の鉄」というブログのリンクが貼られ、2011年に中国で開発された「太玄功」という技術を基にした「SSILD(Senses Initiated Lucid Dream/感覚をきっかけにした明晰夢)」が解説されている。
中国ではこの「太玄功」をテーマとしたネットフォーラムに8万人以上が訪れ、年間500件の明晰夢や体外離脱に成功したという体験談がよせられている。
それでは具体的な「SSILD」の方法を紹介しよう。「SSILD」は「サイクル」と呼ばれる3種類のステップから構成されており、それを単純に繰り返す。
(1)視覚
肩の力を抜いてリラックスし、目を閉じてまぶたの裏側の暗闇に注目する。力んで眼球に負荷をかけたり寄り目になってはいけない。
しばらくすると目の前に光が見えたりすることもあるが、何も見えなくても問題ない。
(2)聴覚
同じようにリラックスして次は耳に感覚を集中する。屋外の音に注意を向けてもいいし、まわりの環境が静かであれば自分の心臓の鼓動を観察してもいい。耳鳴りが聞こえる場合もあるが心配ない。
(3)触覚
次は手や足の指先、かけている布団、背中のベッドの感触など、皮膚の感覚に集中する。部屋の空気の温度を頬で感じてもいい。浮遊感や逆に重圧を感じることもある。
それぞれのステップの切り替えは30秒ぐらいが目安だが、あまり時間にこだわらず、あくまで「今感じている感覚」に集中し、緊張せずリラックスして行うことが大切だ。
注意するのは、プロセスに固執すること。固執し過ぎると緊張してしまい、最悪不眠症につながってしまう。
静かに、受動的に、好奇心をもってプロセスを観察し、気楽に楽しみたい。
このサイクルを繰り返し、自然に眠りに落ちるのが理想的。
アスピー博士によればこの「SSILD」のサイクルを寝る前はもちろん、5時間後に起きて二度寝する際に行ってもいいそうだ。
少しずつ習慣にしていけば、寝つきや目覚めがよくなり、睡眠の質の向上にもつながるという。
さて、このサイトの目標はあくまで「タイムリープ」だ。「明晰夢」はその手段、きっかけにすぎない。
ただ「マインドフルネス瞑想」+「明晰夢テクニック」で、明晰夢を見る頻度を増やすことは「タイムリープ」にとっても重要なことだ。
まだ研究中なのではっきりと断言はできないが、何度も明晰夢を見ているうちに同じような場面の夢を意識的に見られるようになる。
以前タイムリープするためには寝る前に「戻りたい過去のシーンを想像しながら眠りにつくことがよい」と考えていたが、今はむしろこのやり方は逆効果だと考えている。
なかなか明晰夢が見られなかったのもそのせいかもしれない。
「SSILD」(マインドフルネス瞑想+明晰夢テクニック)で「とにかく明晰夢を見る頻度をあげ、その夢の中で戻りたい過去のシーンを意識的に構築していく」方法を私も実践してみる。
具体的な効果が現れたら、ぜひご報告したい。
【2019/9/17追記】
9月17日のアスピー博士からのメールで、明晰夢を見る確率をさらに高める方法が届いたのでご紹介。
「国際的な明晰夢誘発研究(ILDIS)」の研究データから、5時後に起きて明晰夢テクニックを行い二度寝に入るとき、5分以内で眠りに落ちた場合とそれ以上かかった場合とでは、5分以内に寝たときの方が86.2%も明晰夢を見る確率が高いことがわかった。
さらに上で紹介しているマインドフルネス瞑想を取り入れた「SSILD」テクニックを使う場合、10分以内に眠りに落ちればよいという。
適切な時間で二度寝に入るためのコツも紹介されていた。
●なかなか眠れない場合
・部屋の明かりを消して寝る。
・目覚ましのアラームを控えめな音にし、目覚めたときに身体の動きを最小限に抑える。
・寝る前にコップ1杯の水をのみ、(アラームの代わりに)トイレに行きたくて目が覚めるようにする。
●すぐに眠ってしまう場合
・寝る前に目覚まし時計をセットするとき、ベッドから起き上がってアラームをオフにしなければならない場所に目覚まし時計を置く。
・5時間後に目が覚めたとき、部屋の明かりをつけて明晰夢テクニックに関する情報を軽く読む。
ぜひ参考にしていただきたい。
また明晰夢を見るための有益な情報が入った場合、随時追加していく。