2017/12/2
●子供の頃の不思議な体験『未来の自分と出会った話』『ループする道』
2017/11/28 不思議.netより
こちらの349レスで「子供時代に大人の自分と出会った話」が紹介されていた。
投稿者は小学6年生のとき公園で遊んでいて、自分とよく似た顔の会社員を見たそうだ。
いっしょにいた友達もその人物を見ており、そっくりだと指摘された。
小学生の投稿者と会社員はしばらくお互いに見つめ合っていた。その後会社員は公園から去っていった。
それから10年後、大人になった投稿者は夢の中で、公園で友達と遊ぶ小学生の自分を寂しさと懐かしさの入り混じった感情で見ていた。急に家に帰りたくなり公園を離れた瞬間、目が覚めると病院のベッドだった。
通勤途中にバイクで事故にあい、ずっと昏睡状態だったという。事故当時に着ていたスーツが小学生のときに公園で出会った会社員が着ていたものとそっくりだった。
この投稿を受けての351レスで、「大学時代の母が未来の父と出会った話」も紹介されている。
今から30年くらい前、投稿者の母が大学生のとき、実家の前で1人のおじさんがさびしそうに家を見つめていた。気になった母はおじさんに声をかけたが、何でもないと立ち去ったという。
母はそのとき初対面のはずなのに以前から知っていたような親近感を感じたそう。
そのおじさんは当時付き合いだしたばかりの父に似ていた(だから母親は声をかけたのかもしれない)。おじさんは立ち去るときに当時はなかったはずの携帯電話らしきものを耳にあてていた。
投稿者の父は数年前に亡くなっているが、母は亡くなる前の父が彼女に会いに未来からやってきたのかもしれないと語った。
この2つの話は、臨死状態の自分や家族が、タイムトラベルして過去の自分や親しい人に会いに来る話だが、これが真実だとすると興味深い点がある。
精神は時間を越えることができ、過去の世界に干渉ができるかもしれないということだ。
このサイトでは過去へのタイムトラベル、とくに映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー
(字幕版)」のように過去に戻って過去を改変し、その影響を受けた未来へ戻ってくる方法を探しているが、今だその方法は見つかっていない。
過去へのタイムトラベルにはタイムパラドックスがつきまとい、タイムパラドックスを回避する方法では過去改変の影響を受けた未来には戻れない。
※詳しくは「タイムパラドックスを回避するには?(1)」を参照
現在の自分がタイムトラベルしてきた未来の自分の記憶を持っているということは、過去に干渉してその影響を受けた未来にいることになるので、その原理を説明するのはとても難しい。
それでも「それが真実とすれば、どんな原理で説明がつくのか?」を考えるのがこのサイトのポリシーなので、チャレンジしてみる。
●科学的に一番説明がつきそうなのは「虚偽記憶」
※「虚偽記憶」について詳しくはこちらを参照
人は、実際には起っていないはずの偽の記憶を自ら作り出してしまう。
「子供時代に大人の自分と出会った話」でいえば、臨死状態にあった投稿者がたまたま小学生の頃に出会った自分によく似た会社員の記憶を思い出し、そのスーツが自分が事故にあったときに着ていたスーツと似ているという記憶を作りだしたと考えられる。
「大学時代の母が未来の父と出会った話」も、付き合いはじめた頃の父によく似たおじさんに話しかけたという母のエピソードは実際の記憶かもしれないが、タイムトラベルした父と出会ったという印象が先行してしまい、話の信頼性を高めるために「携帯電話らしきものをもっていた」という偽の記憶を自ら作り出してしまったのかもしれない。
「虚偽記憶」はかんたんに言えば「記憶違い」であり、当人1人に限ったものなのでタイムパラドックスを気にすることなく説明ができる。
しかし「子供時代に大人の自分と出会った話」で、当時いっしょに公園で遊んでいた友達が大人になって、小学生のときに見た会社員のスーツと事故当時の投稿者が着ていたスーツが同じものだと証言したらどうだろう?
これは当人1人だけの「記憶違い」で説明することはできない。
他の方法を探してみよう。
●マルチバースによるタイムトラベル
過去へのタイムトラベルで最も可能性が高く、タイムパラドックスを回避できるのは「マルチバースによるタイムトラベル」だ。
だがこの方法はいわば「過去」というもう1つのパラレルワールド(並行宇宙)への移動なので、過去改変の影響を受けた未来に戻ることはできない。
※詳しくは「今、マルチバース理論が熱い!」を参照
「時間の矢は量子の世界でも生まれる?」で紹介したとおり、最近の東大の研究結果からミクロ領域でも熱力学第2法則が導出され、「時間の矢」は逆転することができないことが示された。かんたんに言えば、この宇宙では「時間を逆行するような過去へのタイムトラベル」はできないということだ。
ただ「パラレルワールドはあります!(3)」で紹介したとおり、最新の量子マルチバースではマルチバース全体の量子量が静的な可能性が示唆されている。
マルチバースの中にいる観測者から見て、あらたな泡宇宙が常に生まれ続けていても、マルチバースの外側にいる観測者から見れば、マルチバース全体の量子状態は変わらない。
これは、この宇宙の中にいる私たちの知覚が時とともに変化していくこと、つまり「時間の矢」は幻にすぎず、「時間」は、もっと根源的なものから生まれる「創発的な概念」の可能性を示している。
この仮説が正しいとすれば、「時間の矢」はマルチバースのそれぞれの局所的な泡の中にだけ存在し、泡の外、つまり「外宇宙」には存在しないことになる。
それならば次のような可能性も考えられるのではないか?
マルチバースの中にはわれわれの住む宇宙とすぐ側にあるが、われわれには知覚できない「外宇宙」があるかもしれない。
「タイムリープで過去に戻る方法(1)」でご紹介したとおり、「私」を認識する「自我」、自動的に反応する「無意識」、最下層に「魂」を仮定すると、表層と中間層の「自我」と「無意識」に関しては脳が作り出しているのは間違いないが、「魂」は、量子もつれによって、ホログラフィー宇宙の事象の地平面と脳とがアクセスするための「絆」の役割を果たしている可能性がある。
現在の科学では物理的に身体ごと「この宇宙」から飛び出して「外宇宙」へ移動することは不可能だが、もしかしたら「魂」ならばできるかもしれない。
例えばそれが、臨死状態という身体と魂のつながりが薄くなっているときならば可能なのではないか?
ただし魂だから物理的に自分や親を殺したりするような干渉はできないので(せいぜい姿を見せたりテレパシー?で会話することぐらい)、タイムパラドックスも回避される。
仮説に仮説を重ねた説明だが、今のところ過去に干渉してその影響を受けた未来に戻ってくる方法はこれ以外に思いつかない・・・。