2017/8/25
このサイトはネット掲示板やニュースで報告された「タイムリープして過去に戻った話」、「未来人」、「異世界に迷い込んだ話」などの不思議な出来事を頭から否定せず、「もしそれが本当なら、どんな仕組みで起こるのか?」を考察している。
今回は「時間が止まる場所」の謎を探ってみたい。
さっそく具体的な事例の紹介から。
2017/6/4 不思議.netより
実際にこのスレが2chに投稿されたのは今から12年も前の2005年8月30日。
スレ主は小学校の頃、友達に「不思議な場所がある」と誘われて近所の公園にいった。
公園の一角に芝生が枯れて地面が露出している場所があり、「そこに入ってみろ」と友達に促されて足を踏み入れた瞬間、頭がぼうっとした。再び友達に声を掛けられて気づいたときには5時間も経過していた。
翌日またその友達に「例の場所にいこう」と誘われるが、昨日の出来事で怖くなっていたスレ主は断る。
その夜、「○○がまだ家に帰ってこない。事情を知らないか?」と友達の親から連絡があり、その子の親とスレ主の親といっしょに「例の場所」にいってみると、その場所に座って呆然としている友達を発見した。
その後、中学生になったスレ主は、小学生の弟を連れて再び「例の場所」にいってみた。
そのときの記憶があいまいになっていたそうで、後から弟に詳しく様子を聞いたところ、スレ主は「例の場所」について足を踏み入れたかと思うと、そのまま停止してしまったという。
呼んでも応えない兄にバカにされたと思った弟は、いったん家に帰るが、親から兄の居場所を尋ねられて「例の場所」に戻った。すでに30分は経過しているはずだったのに、兄はさっきと同じ姿勢のまま止まっていたという。弟はあわてて兄を「例の場所」から引っ張り出したそう。
スレ主が「例の場所」の具体的な地図(横浜市にある白根公園の近く)をGoogle マップで示したので、突撃する(実際にその場所にいってみる)人たちが何人かいた。
突撃した人たちの話をまとめると、頭がぼうっとしたという意見もあったが、ほとんどの人は何も感じなかったそうだ。
後日談にて「例の場所」の近くにあったごみ焼却場のボイラーから超低周波が出ており、住民から苦情が出ていた情報を入手。超低周波が脳に何らかの影響を与え、頭をぼうっとさせたり時間の感覚を麻痺させたのではないかとの結論に至った。
2016/6/1 不思議.netより
上のスレから半年後の2006年3月16日に投稿された話。
子供の頃スレ主たちは墓地の近くで鬼ごっこをしていて、友達の1人がいなくなった。
やっと見つけるとその友達は時間が止まったように中途半端な姿勢のまま固まって動かない。いっしょに探していたスレ主の母親を呼び、無理やり腕をつかんでやっと友達は正気を取り戻した。
その頃にはすでに夜になっていたが、動かなくなっていた友達は鬼ごっこをしていた昼間から時間が経過したという認識がなく、「気づいたら夜になっていた」とのこと。
それから何年も経った後、スレ主はふとしたことがきっかけで、その友達と子供の頃経験した「時間が止まった場所」へ再びいくことになった。
思い立ったのが深夜であり、幼い頃の記憶をたどってその場所を見つけたときには午前4時頃だった。そこからスレ主の記憶がなくなる。
友達に腕をひっぱれて気がついたときには、いつの間にか日が昇り、昼前になっていた。
その日を境に友達の様子がおかしくなる。奇妙な夢を見るようになったと言い、とうとう行方不明になってしまう。スレ主はメールや電話で連絡を取り続けたが、返信はなかった。
それから半年後、やっと友達が電話をかけてきた。少しでもあの場所から離れたくなり、地元を出て今は遠くの親戚の家にいるという。落ちついたらまた連絡するといって電話を切ったが、その後友達から連絡がくることはなかった。
そしてつい最近、スレ主も友達が話していたのと同じ奇妙な夢を見るようになった。
その後スレ主は「あの場所の近くまでいってみる」と言い残し、再びスレに現れることはなかった。
2つともよく似た話だが、(1)の話は横浜で、(2)の話は東京のようだ。
「時間が止まる場所」という表現は神秘的でとても興味をそそられるが、もしも実際にそんな場所が存在するのなら、どんな仕組みで引き起こされるのだろうか?
現実的に考えれば、(1)の話の最後の結論のように、低周波などの環境要因や気圧変化などの気象要因によって脳が混乱し、幻覚を見たり時間的な錯覚をしたというのが一般的な答えだろう。
また幼い頃の記憶に引きずられて、思い込みや勘違いをしたのかもしれない。
でも幻覚や錯覚という脳のエラー以外に、「その場所自体の要因」として説明することはできないだろうか?
前回の「パラレルワールドはあります!(3)」で量子マルチバース理論を考察してみて、「もしかしたら・・・」と思いついたことがある。
まず量子マルチバース理論から導かれる「時間」に関する可能性をもう一度説明しよう。
カリフォルニア大学バークレー校の物理学者、野村泰紀教授の「量子マルチバース理論」によれば、マルチバースの中にいる観測者から見て、あらたな泡宇宙が常に生まれ続けていても、マルチバースの外側にいる観測者から見れば静的で、全体の量子状態は変わらないという。
これはわれわれの知覚している「時間」が創発的な概念かもしれない可能性を示唆する。
つまり「時間」はマルチバースのそれぞれの局所的な枝の中にだけあるもの、つまりそれぞれの「宇宙の地平」の中においてのみ存在するというのだ。
このことから「時間が止まる場所」をわれわれとは異なるマルチバースの一部と考えたらどうだろうか?
その場所に入ることは「宇宙の地平」の内側に入ることになり、外側から観測している人間にとっては静的な時空間、つまり動かない時空間に見えるのかもしれない。
そこはわれわれの宇宙とは異なる「宇宙の地平」の内側なので、外側から観測すれば動くものがいない静止した時空間なのだ。
つまり「時間の止まる場所」は、「異なるマルチバースを局所的に外側から観測した現象」という仮説だ。
マルチバース同士は通常相互作用できないとされているので、光学的な観測や中に入ることはできないはずだ(重力波なら可能かもしれない)が、仮説の1つとして考えるのはありだろう。
まるで「FRINGE/フリンジ(吹替版)」に出てくる天才科学者ビショップ博士のごとき奇抜なアイデアだが、これはこれで、このサイトらしい仮説だ。