●過去を変える方法(1)

2016/6/30

 

書き換えイメージ

 

前回、個人的なレベルでの過去改変は記憶の操作によって可能だと説明した。

 

でもこれは本格的な「過去を変える方法」ではない。でもそのヒントやアイデアはいままでの考察で散りばめていた。あとはどう組み合わせるかだ。

 

このサイトがテーマとする過去改変は、「過去の世界で起こした行為によって歴史を変化させ、自分もその変化を享受した未来へ戻る」という方法だ。

せっかく命がけでスカイネットを倒したのに、未来に戻ったら誰も自分のことを世界を救ったヒーローだと知らないなんて、寂しすぎるじゃないか。

タイムマシンから颯爽とおりて、大歓声で迎えられたい。

 

だが「タイムトラベルの基本」で紹介した方法だと、未来へはまだしも過去へのタイムトラベルは厳しそうだ。

 

だから、新しい視点に立った方法を考えてみる。過去の世界に戻って変化を起こすのではなく、「現在」から「過去」を変化させるのだ。

 

いままでに紹介した理論をもう一度まとめてみよう。

 

まず時間についての新しい考え方「スポットライト理論」

ビッグバンから宇宙の終わりまでのその時間(可能性)はすべて同時に存在する。過去に戻れないのは、スポットライトが過去から現在に移動したからで、単に「過去」という物に触れる事が出来なくなってしまっただけだ。

 

次にスポットライトを移動させるための仕組み「時間の矢」で登場した「ホログラフィー原理」。ホログラフィー原理によれば、われわれの宇宙で目撃される現象はすべて、この宇宙の境界表面に映し出されているという。われわれの時空は、量子もつれによるはるか彼方のスクリーン(事象の地平面)に映し出された鏡像であり、この宇宙が主なのか、境界表面の情報が主なのか、まだはっきりとわかっていない。

境界表面の情報が設計図のように働き、量子もつれによって我々の宇宙を形成している可能性もある。そしてエントロピーが増大することによって、この境界表面の面積が大きくなり「時間の矢」が生まれる。

 

そして2種類の時間にたどり着いた。我々が過去・現在・未来と認識している「歴史的な時間」「時間の矢」だ。この2つが直交するところが「今」であり、「今」は常に変化している。

「今」の選択によって「歴史的な時間」=「過去」と「未来」が変化する。

 

だがその変化に我々は気づかない。なぜなら我々が絶対的なものだと信じている自分の記憶は非常にあいまいなものなのだ。

時間が経過したり思い出すたびに都合のいいように書き換えられていく。この仕組みは何らかの理由によって、人類が進化していく上で自然に獲得していったものなのかもしれない。

 

さて、以上を組み合わせて、どうすれば本格的に「現在」から「過去」を変えることができるのか? いよいよ次回は具体的な方法を提案する。